2019年2月号
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モビリティ革命

乗換案内の会社がMaaS参入 ジョルダンが狙う「移動」の新市場

佐藤 俊和(ジョルダン 代表取締役社長)

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月間検索回数2億回以上、月に約1400万人が利用する「乗換案内」サービスで知られるジョルダンが、2018年7月に子会社「J MaaS」を設立し、MaaS事業への本格参入を果たした。多くの企業が商機をうかがうその市場で、ジョルダンは、どのような成長戦略を描いているのか。

佐藤 俊和(ジョルダン 代表取締役社長)

MaaS(マース、Mobility as a Service)とは、鉄道・バス・タクシー・レンタカーなど多種多様な移動手段が「1つのサービス」としてシームレスにつながり、ルート検索から予約・手配、支払いなどがワンストップで提供される新しい交通インフラだ。

ジョルダンの佐藤俊和社長によると、J MaaS設立の背景には、フィンランドの首都・ヘルシンキに拠点を置くベンチャー、MaaS Global社の存在があるという。

「MaaS Global社は、ユーザーが月額定額を支払うと、電車・バス・タクシーなどが乗り放題になるサービス『Whim(ウィム)』を提供しています。私は実際にヘルシンキに行って『Whim』を体験しましたが、ここまで進んでいるのかと衝撃を受けました。MaaS Global社は世界進出を進めており、2019~2020年には日本にも上陸すると言われています。日本も、MaaSへの対応を急がなければなりません。MaaSを実現するには、交通事業者との提携が不可欠です。私たちはJ MaaSを活用しながら、提携先を広げていきます」

MaaSの基盤整備に力を注ぐ

MaaSの領域には、様々な業種の企業が関心を示している。そうした中でジョルダンの強みは、「乗換案内」を提供し、数多くのユーザーとの接点を持っていることだ。

「移動手段の連携が実現したとしても、アプリが従来のままだったらユーザーは使いづらいでしょう。当社は顧客接点となるサービスを提供していますから、そこでAIなどで最適化した提案ができれば、ユーザーの利便性を大きく高めることができます」

ジョルダンは2018年10月、「乗換案内」アプリに地図と徒歩ナビゲーションの機能を搭載した。それは、MaaS事業の拡大に向けた第一歩となる。

「MaaSを実現するためには、駅・ツー・駅ではなく、ドア・ツー・ドアの移動をサポートする必要があります。ユーザーの利用動向を調べると、電車移動で『乗換案内』を使っても、駅を降りてからはGoogleマップを利用する方がたくさんいます。駅からその先の目的地までを含めた『移動』を自社でカバーしなければ、MaaSのプラットフォームを担うことはできません」

また、ジョルダンは2018年8月、J MaaS事業の一環として、公共交通データHUBシステムの提供を始めている。それは、公共交通データの標準化、一元化に向けた取り組みだ。公共交通データが標準化されることで、事業者が「乗換案内」や地図サービスとの連携をスムーズに進めたり、新しいサービスを創出しやすくなる効果が期待できる。

「日本には、数多くの交通事業者が存在しますから、MaaSを実現するための調整は簡単ではないと思います。MaaS Global社が『Whim』を実現できたのも、ヘルシンキの公共交通がシンプルという要因が背景にあるかもしれません。日本でMaaSを広げるには、交通事業者側の収益にもつながることが重要です。私たちはMaaSの共通基盤を整え、他の事業者とも一緒にMaaSの市場を立ち上げていきたいと考えています」

2018年10月、「乗換案内」アプリに地図と徒歩ナビゲーションの機能を搭載。駅を降りてから、目的地までの移動もサポートする体制を整えた

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