2019年2月号
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モビリティ革命

経産省のモビリティサービス戦略 社会実装へ企業と自治体をつなぐ

増田 陽洋(経済産業省 製造産業局自動車課 課長補佐)

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2018年6月に発足した経産省の研究会は、新しいモビリティサービスに関するグローバル動向を収集し、類似サービスを日本で実装する際の課題を整理した。2019年からは、企業と連携して新しい取組に挑戦する意欲的な自治体を支援し、新サービスによる地域の移動課題の解決につなげる。

増田 陽洋(経済産業省 製造産業局自動車課 課長補佐(企画担当)(併)自動車部品・ソフトウェア産業室)

自動車の輸出が全輸出額の4分の1を占め、また全雇用者の20人に1人が運輸業・郵便業で生活の糧を得ている日本において、新しいモビリティの未来を見定めることや非常に重要だ。最先端に遅れないだけでなく、自ら新しい産業や企業を作り出していかなければならない。

経済産業省は2018年6月に「IoTやAIが可能とする新しいモビリティサービスに関する研究会」を立ち上げた。近年、IoTが家や工場の中にとどまらず、スマホ決済の拡大などを通じて町中に広がり始めた。AIの利用も拡大し、IoTで集めたデータの分析やマーケティングへの活用も進んでいる。

日常の移動や旅行、荷物の配送などモビリティの分野においても、IoT・AIにより移動の需給を最適化し、快適な移動サービスを実現する、広い意味でのMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)は、日本の経済成長に欠かせないのは明らか。新しいビジネスチャンスを狙って、既存の交通事業者とITプレイヤーや自動車メーカー、自治体など様々なプレイヤーが参加する取組も目立ってきた。同研究会は、このタイミングで内外の情報を集約し、国内の課題をまとめるべく、有識者や関連企業を集め開催された。

新サービスを日本でも実装

会議の議論を取りまとめた「中間整理」は、10月に発表した。中間整理ではまず、新しいモビリティサービスに関するグローバルな動向を整理。例えば、複数の交通手段を統合して検索・予約・決済が可能で、利用料はサブスクリプション型で支払うフィンランドのWhim。また、需要に合わせてルート、バス停、時刻表を変更するサービスを提供する北米のChariotやViaの事例などが紹介された。

全体的に、海外の新しいモビリティサービスでは、移動先や物流サービスとの連携による付加価値創出に加え、スタートアップの台頭、自動車メーカーのサービス分野への進出、都市戦略としてのモビリティの最適化がトレンドになりつつあるという。

研究会では、これら複数の海外サービスの事例を分類・類型化し、日本で実施する場合の制度上・ビジネス上の課題について1つ1つ整理していった。例えば、Whimに類似したサービスを日本で展開する場合、マルチモーダルサービス事業の参入障壁を引き下げる、中小交通事業者の基礎情報のデジタル化、などが必要になる。Chariotの場合は、運行事業者の採算性を確保することに加え、地域の既存交通網との調整が要る。

「分析の中から、日本の場合、自治体がイニシアチブをとることで、多様なモビリティサービスを実装する可能性が拡がることが分かりました」と、経産省製造産業局自動車課課長補佐(企画担当)の増田陽洋氏は振り返る。

そこで、2019年度からは、新しいモビリティサービス導入に意欲的な自治体の支援を始める。年明けにも、セミナーイベントを開催し、自治体とスタートアップや異業種企業との連携によるモビリティサービスのベストプラクティスを共有することを計画している。そのような場はまた、企業と自治体をつなげ、新しい事業のきっかけにもなるはずだ。

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