楽しみながら地域経済を回す仕組み 「地域ホテル」が始動へ

倉敷において、町屋や古民家をリノベーションしたカフェや菓子工房を運営。数々の人気店をつくり出してきた辻 信行氏は、新たなチャレンジとして、『地域ホテル』を企画。それは、「地域の宝を次世代につなぐ」ための新しい仕組みだ。

辻 信行(くま 代表取締役)

「歴史ある建造物は地域の宝ですが、今、それが次々に取り壊され、次世代につなぐことができなくなっています。建物に対する補助金が提供される中心市街地や伝統的建造物群がある地域は、国土のほんのわずか。日本の99.9%は、それ以外の地域です。しかし、そこにも同じように歴史や文化があり、地域が誇る宝があるのです」

そう語るのは、長年、倉敷市で地域活性に取り組む辻 信行氏だ。辻 氏の活動は、観光客で賑わう美観地区だけでなく、中心市街地の「外」にも広がっている。

辻氏は、倉敷本町通りにある町家喫茶「三宅商店」、倉敷美観地区にある衣食住のデザインマーケット「林源十郎商店」、高梁川のほとりにある水辺のカフェ「三宅商店 酒津」、季節のジャムや焼き菓子をつくる旧原田邸「三宅商店カフェ工房」などを企画・運営。

倉敷美観地区にある衣食住のデザインマーケット「林源十郎商店」

水辺のカフェ「三宅商店 酒津」には、3世代が集う

「三宅商店カフェ工房」では、地域産品を使ったジャムや焼き菓子を製造

それらの店舗は、かつては日用雑貨・荒物店だった三宅商店、薬問屋の林源十郎商店、酒屋の三宅商店、商家の原田邸と、いずれも家主が不在の古い建物だ。辻 氏は、それらを再生させ、地域を「知る」「伝える」ための発信拠点として活用しているのだ。

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