2018年12月号
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伝統と革新の融合が生むイノベーション

楽天から供養ビジネスに転身 親族外の承継者が「終活」市場を拓く

相木 孝仁(鎌倉新書 代表取締役社長)

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1984年に仏壇・仏具向け出版を祖業に、2000年にインターネットビジネスに進出。2015年12月には東証マザーズ市場に上場、2017年7月には第一部に市場変更した。同年9月に相木孝仁氏が経営を承継し、さらなる拡大を目指す。

相木 孝仁(鎌倉新書 代表取締役社長)

「生と死」は社会の基幹
「×IT」でビジネス・チャンス

――昨年、鎌倉新書の代表取締役社長に就任された動機は何ですか。

直近10年間の仕事で、様々なネットサービスに触れる機会があり、海外を含むすべてのビジネスを管掌していて仕事は充実していました。ただ45歳になった時、ビジネスパーソンとして、社会の基幹産業で新しいものを作りたいと考えました。その1つが「生と死」で、鎌倉新書には元々関心を抱いていました。

生きる、死ぬというのは誰もが通る道ですが、オープンでクリエイティブに語ることはタブーのようになっています。そのため逆にビジネス・チャンスがあるのではないかと考えました。紙媒体からネットへの進化という点で私が役立てるのではと思い、アプローチしました。

鎌倉新書は「供養×IT」、「高齢者×IT」という、意外な着想で成長してきました。今はインターネット企業としての蓄積を磨きながら次のイノベーションや新しい事業の柱を構想しています。

詳細なユーザー評価を公開し
高齢者のニーズに対応

――葬儀やお墓、仏壇の総合情報サイトを運営する中、様々な新しい取り組みに挑戦されています。

私たちが扱う葬儀、お墓、仏壇は、人生の中で頻繁に購入する物ではありません。また、平時には生と死についてあまり意識していない人が多いため、ご利用者様側の情報が少なく、事業者様との情報格差が大きいサービスです。

一方、一次産業から二次、三次産業へと産業の中心が変化し、自分が生まれた土地で亡くなる人は減っています。地方では近所に親戚やお世話になっているお寺様、町内会があり、それらの人々から情報を得るのが普通ですが、都市部では基本的にそのような繋がりがありません。するとインターネットで検索することになり、多くの人たちが私たちのサイトに行き着いてくださいます。

各サイトは日本最大級で、現在も急成長中です。現代は供養や儀礼、儀式の大切さのようなことを意識する機会が少なくなっており、何をどうしたら良いかわからないという方が増えております。そうした方々の求める情報を私たちがしっかり伝えていかなければいけないと感じています。

また大切にしているのが、実際に利用したお客様の口コミやレーティングです。○〇葬儀社、○○石材店を使って「こういう心に残る経験をしました」、「こんな相談に乗ってもらえました」といった内容を載せています。これは紙媒体の時代には、スペースの面から考えると、なかなかできなかったことです。

他方で、私たちは現在も祖業である出版事業を行っています。たとえば供養関連事業者様向けには『月刊仏事』を発行し業界動向や最新情報などを発信しています。また、ご利用者様には、紙の情報でなければ、なかなか目を通さないという世代もいらっしゃるので、ご利用者様向けのお墓や葬儀に関する冊子なども制作しています。今後も、インターネットと紙をうまく組み合わせてご利用者様や事業者様に情報提供していきます。ただし、課題も感じます。私たちのサービスを利用しているお客様は40代~60代が中心で、男女比は半々、都市部在住が多いですが、ご利用いただいているお客様の詳細まで理解するには至っていません。次なる成長のステージに進むには、もっとお客様を知ることが大切だと思います。

自分が死ぬ時に向けた準備は、大部分の人はやりたがらないものです。しかし、「残された日々のために自分はこれだけやり遂げたい」という想いを持つことは、人生にとってプラスになるはずです。

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