地産外商で成果 過疎地から東京人の心をつかんだ「都会的洗練」

「観光資源はあっても観光業は盛んでない。生産量の多い優れた1次産品はあっても県外での知名度は低い」-こうした悩みをもつ地域は全国に数多い。現地の中小事業者は、どうやって自社の成長と地域の創生を実現したらよいのだろうか? ひとつの解に迫る。
文・嶋田 淑之(ジャーナリスト、産業能率大学兼任教員)

 

地元の高校生たちと共同開発した、安芸の特産品・冬春なすを使った「なすのプリン」。2017年の「商業高校フードグランプリ」(伊藤忠食品主催)で大賞を受賞した

知名度の低い過疎地から
東京人の心をつかむ

多くの日本人にとっては、"幕末の志士"坂本龍馬と、『最後の清流』四万十川こそが高知県を象徴する存在と言えるのではないだろうか。そのため、龍馬に関する史跡の多い高知市など中部地域と、四万十川が流れる西部地域に県外の人々の関心は集中しがちだ。

それに対して東部地域は、ゆず関連事業で成功した馬路村を例外にして、他の市町村の県外での地名度は低い。

しかし、東部地域とりわけ安芸市から芸西村にかけては、「冬春なす」と「ゆず」の生産量が全国1位であるほか、「白玉糖」(黒糖)など特色豊かな産品があり、高知県を代表する農業地帯のひとつとなっている。

そして、この地域の1次産品を使ったスイーツなど各種加工食品の開発・販売で、東京を中心とする都市生活者の心をつかんでいる人気事業者がいる。安芸市で「まる弥カフェ」を運営するまる弥企画・代表取締役の小松恵子氏だ。

「こんな人生になるとは全く想定外でしたが、やっと楽しくなってきました」と語る小松氏が、その苦難と躍進の日々を語ってくれた。

小松 恵子(まる弥企画 代表取締役)

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