高知のブランド戦略に課題 坂本龍馬だけでは訪日客に訴求できず

高知県といえば、坂本龍馬、四万十川......。それらは全国的に認知され、高知県の代名詞にもなっている。しかし一方で、高知県に対するイメージが単純化・固定化されているとも言え、県が本来持つ「多様な魅力」の発信が望まれる。

高知県には、知られざる観光資源も多い。写真は、印象派の巨匠クロード・モネがフランス・ジヴェルニーにつくり上げた庭を再現した、北川村「モネの庭」マルモッタン Photo by Nadrog

高齢者に生涯活躍の場を

全国8位の産出額を誇る漁業において、高知県の外国人雇用比率は、広島県に次いで全国2位であることが報じられた(日本経済新聞、2018年8月2日)。これは県として"海外人材に対してオープン"ということを必ずしも意味しない。とにかく人手不足なのである。漁業だけではなく、あらゆる領域において、労働需給が逼迫しており、たとえば商業では営業時間の短縮など経済活動の縮小を招いている。

県内総生産全国46位の高知県としてこれ以上の経済の縮小は看過できない。労働人口の確保と、労働生産性の向上は喫緊の課題である。

こうした場合、通常真っ先に注目されるのは、"女性の戦力化"であろう。ところが、高知県は、従業員、管理職、起業家いずれの指標においても女性比率は全国トップレベルである。

女性の活躍のいっそうの拡大を期待しつつも、県にとってそれ以上に重要なのが、実は、高齢者の活躍促進である。「希望者全員が65歳以上まで働ける企業割合」(2017)42位、「70歳以上まで働ける企業割合」(2017)45位など、高知県は"人生100年時代"という潮流とは相反する現状にある。その背景には男性の健康寿命が全国42位という事情もあるだろう。 

しかし、他都道府県の事例から言って、生涯を通じて活躍できる制度や風土が形成されることで、おのずから健康寿命が延伸する傾向がある。県産業界への働きかけなど高齢者の活躍促進のための県の施策が期待される。

地産外商できない
県内6次産業の変革を

高知県の県際収支がほとんどの業種において移輸入超過であることはよく知られており、それゆえ"地産外商"が県の政策の最重要テーマになっている。県産品を県外で販売して"外貨を得る"ということだ。そして、それを実現する有力手段となっているのが、「(県内の他産業と比較して競争優位性のある1次産業をベースにした)6次産業化の推進」である。

ところが、本誌別稿でも指摘したように県内6次産業化事例の多くが、実は「農産物直売所」であって、縮小し続ける域内需要に依存し、本来の狙いである県外マーケットと結びついていない。個人農家単位や農家グループ単位で片手間に6次産業化を図る限界を露呈していると言えるだろう。

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