2018年10月号
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世界に広がる地域×デザイン

デザインによる地域振興を台湾でも 9月に丸の内で展示会開催

矢島 進二(日本デザイン振興会)

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台湾の地方創生が総覧できる展覧会が、9月21日から丸の内で開催される。本展のクリエィティブディレクターである中華民国工業デザイン協会の林磐聳理事長に、機運が著しく高まっている台湾の地方創生の動向について伺った。

「台湾地方創生展」のシンボルマーク

2017年12月に台北で開催された展覧会での開幕式。国家発展委員会など多くの政府関係者が参列。行政院頼清徳院長(右から5人目)、国家発展委員会陳美伶主任委員(左から5人目)

地方創生は日台に共通する課題

日本人が親しみを持つ国や地域をアンケートすると、上位に挙がるのが台湾だ。日本人の訪台客はずっと増加傾向にあり、昨年の訪日客も過去最高で450万人を超えた。台湾と日本は、経済・産業・文化的に密接に関わりをもっている。それは、同じ島国で、自然は豊かだがエネルギー資源を持っていない点など多くの共通項を持ち、発展の仕方も近いものがあるからだろう。

発展の状況が近いとなると、直面する社会的課題も重なる。例えば、高齢化や都市部への人材流出、地域産業の空洞化、地域格差などだ。

グラフィックデザイナーでありながら、現在は台湾工業デザイン協会の理事長も務める林磐聳氏は、台湾デザイン界の重鎮だ。さらに台湾の文化やクリエイティブ産業政策に関連する政府機関の顧問を務めるなど、政府とデザイン界のパイプ役でもある。

林氏は言う。「台湾はここ20年間、様々な日本の政策をお手本にしてきました。そして現在最も重要な政策の一つが地方創生です。「2003年に『クリエイティブ産業元年』を宣言したのに続き、2016年に『デザインによる地域イノベーション』プロジェクトがスタートし、事例を研究しながら標準業務手順書を作成。今年、行政院長(首相)頼清徳氏が、2019年『地方創生元年』と宣言したのです」

日本が政策として、地方創生を始動したのは、2014年の第二次安倍内閣での「まち・ひと・しごと創生本部」の発足時だ。「日本政府が地域に力を入れることは、台湾から見てとても羨ましかったです。台湾には地域振興を司る専門部署はありませんでした」と、少し残念な面持ちで林氏は語る。

「国家発展委員会の陳美伶主任委員(大臣級)は、国土計画と人口政策の観点から、地域発展の課題を解決することは極めて重要だとの考えを示し、国家発展委員会の部内組織『国土計画及び離島発展処』に、地域振興政策の策定及び推進を担当するように指示しました。国家発展委員会は横断的な機能を持つ省庁ですので、台湾全体の発展という視点から、地方創生を推進することが可能になりました」

林磐聳 中華民国工業デザイン協会理事長

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