「未来投資戦略2018」に見る 農林水産業の成長戦略

政府は2018年6月、「未来投資戦略2018」を閣議決定した。「スマート農林水産業の実現」分野の策定に携わった内閣官房日本経済再生総合事務局参事官の沖和尚氏に、日本の農林水産業を活性化するための戦略について話を聞いた。

政府は経済の成長戦略「未来投資戦略2018」を6月に閣議決定。1次産業の担い手の高齢化が進む中、世界で戦える1次産業を目指すための「スマート農林水産業の実現」に向けたKPIと具体的施策が示された。

図1 農林水産業全体にわたる改革とスマート農林水産業の実現に関するKPI

 

2017年度以前の未来投資戦略において、農業・林業・水産業の中でも特に注力されてきたのは農業のスマート化だ。既に様々な施策で一定の成果が上がっている。スマート農業の核は、データをどう有効活用していくかということであり、そこに必要となるデータの土台となる農業データプラットホーム WAGRIは2019年4月から本格的に稼働。そして、モデル農場での体系的な一気通貫の技術実証や、2020年には遠隔監視で無人走行するトラクターを実現する見通しだ。

一方で、未来投資戦略2018では、「林業と水産業についてもスマート化を進めていくことを丁寧に書き込みました」と沖氏が話すように、林業と漁業に力が入れられている。

林業は大規模化
漁業は収益性重視へ

なぜ、林業と水産業に力を入れたのか。まず林業については、戦後植えた木がようやく育ってきたことが背景にあるという。「林業が斜陽産業になったのは、日本の森林が戦後の復興や高度経済成長のために伐採され、十分な木材を供給できなくなったからです。

当時植えた木がようやく大きく育ちました。これを利用してバリューチェーンを大規模化し、ヨーロッパに負けない高い生産性を持った林業・木材産業を作り出します」

実際、2028年までに私有の人工林に由来をする林業・木材産業の付加価値額を倍増、つまり、これまでの倍、林業・木材産業が儲かるようにするというKPIが今回新たに設定されている。

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