大学発ベンチャー 「林業×光技術×α」で新産業を創出

光技術を用いて木材に付加価値を持たせ、全く新しい需要を生み出そうとしているローカルベンチャーがある。林業を救う道は、大規模化し生産性を高めることだけではない。異業種の知見をいかし、日本の林業を活性化する構想を伺った。

酒井 浩一(里灯都 代表取締役)

光技術と林業を組み合わせる。里灯 れていて、林業についての話をされて都(りひと)は、これまでにあまり類をみない切り口に挑戦している静岡県浜松市のベンチャー企業だ。

ドイツ語で「光」という意味の「Licht(リヒト)」に、山里に光を灯し都にするように、地域を明るく豊かにするという意味を込めた漢字があてられている。

代表取締役の酒井浩一氏は、浜松ホトニクスの研究・開発職を経て、光技術を用いた新しい産業を創成する人材の育成を目的とする光産業創成大学院大学に入学。そこで培った経験・技術をベースとして同社を設立した。光技術のプロフェッショナルとして、木材の応用分野の委託研究を受け、光技術を活用して木材の付加価値を上げる提案までを行っている。全くの異業種であった酒井氏が、林業に着目した理由は二つあるという。

光産業創生大学院大学では、「光」技術を駆使して、新たな産業を創成できる人材を育成している

「まず、私が所属している浜松ホトニクスという会社自体が医療や産業機器、農業など様々な分野に光センサなどを提供しています。しかし、以前から、漁業と林業分野にはあまり参入しておらず、社内で誰もやらないからこそ取り組む価値があると考えました。

また、私は浜松市の新総合計画策定のため、市長をはじめ、各分野の有識者、公募委員で構成される浜松市未来デザイン会議の委員を務めていたのですが、そこには"きこり"の方も来られていて、林業についての話をされていました。話を伺う中で、技術者として林業を手掛けられたら、もっと色々なことができるのではないか。光という側面からみた林業には無限の可能性があると直感しました」

酒井氏はその後、大学発ベンチャーとして里灯都を創業。2017年3月に結果発表が行われた第4回はましんCHALLENGE GATE(主催:浜松信用金庫)に応募。レーザーを活用し、木材を乾燥・加工する技術・ビジネスプランを提案し、創業部門で優秀賞を受賞するなど、周囲の期待値は高い。レーザーを使用することは、湿気の通りをよくするために合板に穴をあけること一つをとっても、ドリルで穴をあけるよりも生産性が高く、引き合いに繋がっている。

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