2018年9月号
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イノベーション実現へのコミュニケーション

ライオン 生活者の共感を得る新たなコミュニケーション設計

小和田 みどり(ライオン コミュニケーションデザイン部長)

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昨年10月、ライオンは宣伝部をコミュニケーションデザイン部に改編しCXプランニング室を新設。「モノ」から「生活者」に基軸を移したコミュニケーション設計でヒットを飛ばしている。部の陣頭指揮を執る小和田みどり氏に話を聞いた。

小和田 みどり(ライオン コミュニケーションデザイン部長)

生活者の共感を得る
コミュニケーションとは

ライオンの国内日用品事業を示す「一般用消費財事業」の2017年度売上は前期比で1.3%増、営業利益は19.7%増と好調な結果となっている。その柱のひとつとなったのが、2017年2月の発売からわずか2カ月で前年比300パーセント(出荷ベース)を達成するヒットを飛ばした、子ども用歯ブラシ「クリニカKid'sハブラシ(以下キッズハブラシ)」である。自社開発の新素材を使用した「曲がるハンドル」で、乳幼児が歯みがき中に転倒しても、口への衝撃を低減(ネックが変形する時の荷重を95%低減)するという。

ヒットの一番の理由は、子どもの歯みがきをサポートする母親たちのハートをがっちりつかんだコミュニケーションだろう。コミュニケーションデザイン部長の小和田みどり氏は言う。「従来のコミュニケーションであれば、曲がるハンドルの機能説明に終始していたでしょうが、今回ブランドマネージャーを中心に、この歯ブラシを使うことによって誰のどのような困りごとが解決できるのかを探っていきました。そのなかで出た、子育て中のスタッフのリアルな声をヒントにコミュニケーションを設計したのです」。

リアルな声とは、「小さな子どもは歯磨きが大嫌いなので母親は苦労している。喜んで磨いてくれるようになったらどんなに楽だろう」という悩みだ。

そこで動画ではこんな表現を放映してみた。まず、母親がこどもに歯みがきを施す様子を撮影。母親は子どもを虫歯にさせまいと真剣になるあまり、嫌がるこどもを押さえつけ、眉間にしわを寄せた怖い顔で歯みがきをしていたことに気づく。次は子どもたちに母親の歯を磨いてもらう。すると、あれほど歯みがきを嫌がっていた子どもたちが、楽しそうに、しかも母親が自分たちにするのと同じ手順で丁寧に母親の歯を磨いたのである。

「笑顔で磨けば、歯みがきタイムは親子の大切なコミュニケーションの時間になることを訴求しました。すると、『うちも同じ!』とか、『試したら子どもが喜んで歯みがきするようになった』と、たくさんの反響をいただきました」。

このほかにも、はじめて歯ブラシを使う時のための動画配信や、「歯みがきするまでが、食べること」というコンセプトで歯みがきを習慣化する「おいしいマナー」プロジェクトなど、「予防歯科」を柱としたコミュニケーションを展開している。

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