VR空間でAIアバターと英会話 次世代の教育で世界展開
アメリカのスタートアップ、PlusOneが開発した英会話学習ツール「Smart Tutor(スマートチューター)」。VR空間でAIアバターと会話を重ねることで、弱点の可視化と克服を実現するこれまでにないツールだ。
英語学習の市場が伸びている。矢野経済研究所の試算では、2016年が前年度比2.7%増の8,498億円、2017年はさらに伸びて前年度比2.2%増の8,682億円に達している。
英会話スクールの形態は対面、オンライン、あるいは個別、複数授業とさまざまだが、いずれにせよ講師が生徒に教えるという形が一般的だった。しかし昨年、これまでにない英語学習ツールが誕生した。VRとAIを活用したトレーニングソフトウェア「Smart Tutor」だ。
開発したのは、米国サンフランシスコのスタートアップ、PlusOne(プラスワン)。創業者のジョン・スー氏は、ウォルト・ディズニーのクリエイティブ監修・プロダクト開発部門に勤務し、人気アプリ「ディズニー ツムツム」のディレクターも務めた人物だ。
7カ国での就業経験を持ち、英語・中国語・日本語を話すジョン氏は、16年に初めてVRヘッドセットを体験した際に、「教育業界を変えるデバイス」と確信し、起業した。
「これまでいろいろな国に住んできましたが、そのたびにコミュニケーションに苦労しました。VRを体験して、テクノロジーで克服できるのではと思いました」
スクールと受講生の課題を解決
スマートチューターは、ヘッドセットを装着し、VR空間でオリジナルのアバター「Holosapiens(ホロセピアン)」と英会話をするプログラム。アバターに搭載されているAIが、発音、流暢さなど基礎的な語学レベルに加えて、発話ペース、アバターとのアイコンタクト、手振りなどのジェスチャーといったコミュニケーションレベルもスコア化。7項目の評価指標から弱点や改善点を指摘する。
ひと通りスピーチした後、発音が悪かった単語が黄色く表示され、サンプルボイスを聞きながら発音の練習ができるなど、自分の弱点が具体的に可視化されるのが特徴だ。
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