第一人者が語る SDGsを経営戦略に活かす方法

今後、SDGsから外れた経済成長戦略は通用しなくなる――。日本におけるSDGs研究の第一人者、慶應義塾大学大学院の蟹江憲史教授が、SDGsが示す新たな成長戦略の方向性、企業に求められる取り組みを語る。

蟹江 憲史(慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 教授 国連大学サステイナビリティ高等研究所 シニアリサーチフェロー)

SDGs(持続可能な開発目標)について、日本では、2016年は時折目にする程度でしたが、2017年になって大きく変わり、企業の取り組みが本格化してきたと感じます。それはダボス会議などで、各国のリーダーがSDGsを話題にしたり、世界の優良企業、先進企業の取り組みが見え始めてきたことが大きいでしょう。私自身、SDGsがこれほど注目されるとは考えていませんでした。

SDGsに盛り込まれた内容は、これまでも言われてきたことであり、新しいものではありません。しかし、これまでの国際的枠組みは、あまり機能しないこともありました。それが今、動き出している。ようやく時代が追い付いてきたのかもしれません。

SDGsがなぜ、時代にマッチしたかと言うと、社会が複雑化する中で、今後進むべき方向性を打ち出したからだと思います。AIやIoTが、どのように社会や人の生き方を変えていくのかも不透明な時代において、SDGsは17の目標、169のターゲットを掲げ、2030年への方向性を明確に示しました。

2015年の時点で世界中の国がそれに合意したというのは、それだけで、かなりのインパクトだと言えます。

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