現代アーティストから転身 異彩の女性経営者が挑む能登半島活性

現代アートからECビジネスへ転身、60歳を過ぎて地域おこし会社を立ち上げた中巳出理氏。能登半島を舞台に、商品開発から観光振興、人材育成まで...。「やるならとことん」が信条の中巳出氏が実践する地域おこし術とは。

奥能登・珠洲で500年の歴史を持つ伝統的な塩づくり『揚げ浜式製塩』。Anteは今年、製塩の技術継承を目的に塩田事業をスタートした

"付録"の人生は地域とともに

2009年、石川県に創業したAnte(アンテ)。石川・能登の食材や伝統技術を利用した商品開発、限界集落でのカフェ建設、技術継承に向けた塩田事業の立ち上げなど、独創性の高い取り組みで、過疎の地に常に新しい話題を創りだしている。

創業社長の中巳出理(なかみで・りい)氏は幼少期、厳格な母のもと、お茶、お花、日本舞踊など、様々な伝統芸能をたしなんだ。その反動で現代美術の世界に惹かれ、現代アート彫刻家の道をめざす。世界的な彫刻家を夢見てニューヨークに行くも、挫折。その道はキッパリあきらめ、帰国後は一転、ECビジネスを立ち上げ、加賀市にいながら米国を相手にビジネスを展開、成功を収めた。

40代後半から12年続けたECビジネスからアッサリ手を引いたのは、「年齢的にネットビジネスのスピードについていけなくなったこと」、「残りの人生を地域に貢献して生きたいと思ったこと」が理由だ。

新進気鋭の女性現代アート作家、ECビジネス・・・。比較的保守的な思考の強い石川県において、中巳出氏は常に異端児だった。

「若い頃は地域に背を向けて生きてきました。60歳を過ぎて、残りの付録の人生は地域に目を向けて生きていきたいと思ったんです」(中巳出氏)

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