2017年2月号

地域プロジェクトのデザイン

ポニーキャニオンの自治体PR動画制作 長期的なPRで「点」を「線」に

株式会社ポニーキャニオン

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地域PR動画を制作する自治体が増え続けている。動画制作を地域活性化に繋げるには「ターゲットの絞り込み」、「継続的なPR」、そして「官民によるフラットなチームづくり」が重要だ。

岐阜県大垣市のユネスコ無形文化遺産に登録された「大垣祭車山(ヤマ)行事」のPR映像

佐賀県の魅力を紹介する「佐賀県を巡るアニメーション」シリーズの1作品、「約束の器 有田の初恋」

動画のターゲットは「狭く」

地域活性化を目的とした自治体によるPR動画制作は、全国的なブームになっている。PR動画制作を、地域活性化にしっかりと繋げている自治体と、そうでない自治体の差はどこにあるのだろうか?

ポニーキャニオンは、創業以来の50年間で培ってきたエンターテインメント企業としてのノウハウを活かし、2015年に自治体協業事業(名称:地域共業ワーキング・チーム)を立ち上げ、エンターテインメント業界の中ではいち早く”地方創生の波”に乗っている。事業内容は多岐に亘るが、映像制作を中心に音楽、イベント制作、そしてプロモーションと、これまで20以上の地域プロモーションを手がけてきている。

地域共業ワーキング・チーム座長の村多正俊氏は、少なくない自治体で「面白くてインパクトのある地域PR動画を作ることだけが目的になってしまい、肝心の、動画のターゲット設定が疎かになっているように感じています」と指摘する。

自治体が動画制作者をプロポーザルで募集する際には、地域の課題や戦略に基づいて観光や移住促進などの動画のテーマを定め、動画を見てもらいたい地域・年齢層・性別・人種などのターゲットまで明示するのが理想的だ。

「例えば『25歳から35歳までの、東京都に住む独身の男女』という風に、ターゲットが狭ければ狭いほど、訴求力のある動画が作りやすくなり、広報・拡散の精度も高まります。PR動画ブームに惑わされず、まずしっかりと地域の戦略を定めることが先決です」

村多正俊 ポニーキャニオン地域共業ワーキング・チーム座長

長期的な事業で〈点〉を〈線〉に
動画やイベント、冊子を連動

もうひとつのポイントは、プロモーションは継続してこそ効果を生むということだ。

「たとえ面白いPR動画ができても、1つの作品だけではなかなか通用しません。エンターテイメントは即効性が高いですが、冷めるのも早い。短い時間では浸透しないので、視聴者の関心を維持していくことが大切です」

観光振興や移住促進で成果を出している自治体は、単年度ではなく、3年程度の長期事業として地域プロモーションを推進していることが多い。

「まず、訴求力の高い動画をつくり、ターゲットを絞って〈点〉で打つ。検証し、アップデイトして繰り返すことで、〈点〉を〈線〉にしていく。これがプロモーションの基本です」。

動画のシリーズ化は、〈点〉を〈線〉にする有効な手段のひとつだ。例えば佐賀県文化課とポニーキャニオンは、県内の魅力を紹介する動画シリーズ「佐賀県を巡るアニメーション」を制作。これまでに2本、有田町と武雄市を舞台に、著名アニメーション監督を登用した10分程度の作品を完成し、更に2本のアニメーションも制作中だ。

また、ポニーキャニオンでは、動画制作に加えてイベントの企画・運営、パンフレット制作などの幅広いソリューションを提供し、〈点〉を〈線〉にするサポートをしている。長野県千曲市では、2015年に首都圏の女性をターゲットとした観光PR動画を制作、続いて2016年は観光パンフレット制作に取り組んでいるという。

「私達は音楽、映像、書籍、イベントなどのコンテンツについて、自社で企画制作から宣伝、販売までを行っています。様々な分野のプロフェッショナルが在籍し、アーティストや俳優のブッキング能力も高い。この総合力を活かして、地域ならではの空間や景観、食を組み合わせた、イベントやライヴなどの集客コンテンツをつくることもできます」

長野県千曲市では、ポニーキャニオンは観光PR動画(画像)に続きパンフレットも制作中。長期的な地域PRを行っていく

官民のフラットなチームが重要

「官民がフラットな関係でチームを組み、協業すること」も、優れた動画やコンテンツづくりに欠かせないと村多氏は指摘する。自治体の中でプロモーションや動画のスペシャリストを育てることは難しく、プロポーザルなどで信頼できる外部パートナーを探し、業務委託することが一般的だ。しかし、委託者に丸投げをせず、自治体担当者が動画制作に積極的に関わって欲しいと村多氏は言う。

「自治体担当者は動画に関して最終的な意思決定権を持つプロデューサーです。ですから、『自分は素人だから』と遠慮したりせずに、『こんなことがやりたい』と意見や要望をどんどん言って欲しいし、わからないことがあれば何でも聞いて欲しい。私達も専門用語は使わないなど、双方が話しやすい環境づくりを心がけています」

また、地域の住民や施設との調整や撮影協力など、自治体担当者が動いてくれるとスムーズに進行する。このように委託者、受託者という関係性を越えて協業することで、チームの熱量が高まり、良い作品が制作でき、その過程でプロモーションや動画制作、メディア活用などのノウハウが自治体側にも蓄積されていく。

ポニーキャニオンは、自治体の観光・広報担当者を対象にした「自治体プロモーション研究会」も主催している。毎年数回開催し、プロモーション分野の識者による講演やワーク・ショップを通じて、担当者のスキルのレベルアップやノウハウの共有、ネット・ワーキングを支援する取り組みだ。近く、思いを同じくする法人との連携開催も視野にいれているとのこと。

「自治体プロモーションを手がける広告代理店は多いですが、エンターテインメント企業でこの分野に取り組んでいるのはそう多くないのではないでしょうか」と村多氏は語る。

1700以上の自治体が地域プロモーションで競い合うなかで、抜きん出るのは並大抵のことではない。地域活性化に本気で取り組む優良パートナーをいかに見つけるかが、成功のポイントとなるだろう。

出典:ポニーキャニオン地域共業ワーキング・チーム

 

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  1. 株式会社ポニーキャニオン
    地域共業ワーキング・チーム

  2. TEL:03-5521-8009 (9:30~18:00)
  3. mail:local@ponycanyon.co.jp
  4. URL:http://local.ponycanyon.co.jp/
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