90名超の事業構想家が、次なる構想を始める場

6月末に、修了生による同窓会総会が開催された。これまで1期生から3期生まで90名以上が修了。事業構想修士(MPD)として社会で活躍をしている。同窓会の新会長として、1期生の田中恵氏(集英社 取締役)が就任。2016年度の活動テーマを「修了生同士が自由に交流し、事業活動の一助となる『場』と『仕組み』をつくる」とし、対面できる交流の場、情報交換の場、オンラインでの交流が可能な仕組みなどが総会で議論された。

後半は、田中里沙学長、小塩篤史研究科長も交えたトークセッションを開催。田中学長からは「事業構想、そして、事業構想大学院大学には、一層の期待が寄せられていると実感しています。修了生の活躍を支援し、同時に同窓会と院生、地域の方をはじめとしたステークホルダーの皆様とも連携し、社会に役立つアイデアを考え、研究し、深めていきたいと思います」と期待を語った。続いて、小塩研究科長は「本学自体も事業構想をし続けています。同窓会も目指すべき姿をつくり、常に構想を続けてほしい。これからは事業構想を実現してきた修了生の皆さんには、ぜひ本学の講師としても参画していただきたい」と話した。

アイデアを出し続けることが本学の特徴。情報を交換し合える場をつくり、新たな事業構想につなげていきたい。

1期生修了時に立ち上がった同窓会は、3期目を迎えた。6月の総会では、田中学長、小塩研究科長と修了生によるトークセッションが開催された

 

修了生の事業構想

新規事業を本気で考える場

私はIT関連会社を経営しています。我が社は、今年で12期目を迎えました。IT関連会社は20年ほどで倒産する会社が多いことが業界としての課題です。10年目を迎えた頃には、社会や経済の変化に伴い、創業当時のビジネスモデルを変えていくことが必要ですが、それに気づかず経営している会社は倒産に陥ってしまいます。2年前、私の会社が10期目を迎え、今後の自社のビジネスモデルを考え、同時に時代の変化に合わせた新しい事業を構築したいと思いました。いくつかの大学を検討しましたが、新規事業では本学が最適だと感じ、本学に出願することに決めました。

小川原謙一(おがわはら・けんいち)株式会社アーカイブ 代表取締役
3期生(2014年度入学)

私は授業を70単位(525コマ)受け、すべて無遅刻で出席をしました。経営者として仕事も多忙ではありますが、授業では新しい知見や考え方を得ることができ、仕事のマネジメントを考えてでも出席する価値があります。教授が伝えたいすべてを吸収するために全出席をしたのです。

2年間の授業や院生とのディスカッションを通して、これまでの10年間の経営で成功してきた理由、また自社の強みを明確にすることができました。さらに、自社の次なる新規事業の構想計画を立てられたことが一番の成果となっています。

<事業構想計画書>

顧客とエンジニアの価値共創による戦略的IT構築支援

現在、第一線で活躍する50歳以上のエンジニアはほとんどいません。30〜40代のプロジェクトマネージャーが多く、年上のエンジニアは使いづらいという理由で、50歳以上のエンジニアには仕事がない状況です。しかし、50歳以上のエンジニアは、経験とスキルがあります。一方で、ITエンジニアが社内にいないことで、ITを活用することができていないスタート直後の会社や事業部があります。その問題を、シニアを含めたスキルの高いエンジニアが解決し、かつサービスを安価に提供することが私の事業構想です。

 

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