潜在市場は「30億個」 乾電池のIoT化で生まれる新市場

あらゆるモノがインターネットに接続されるIoT社会への期待が高まるなかで、「乾電池をIoT化する」という発想で注目を集めるスタートアップがいる。ユーザーのアイデア次第でさまざまに利用できる、新しい“創造のプラットフォーム”だ。

ノバルスの発売する乾電池型IoT「MaBeee」

電車のおもちゃや自作工作、電動歯ブラシなどの乾電池で動く製品をスマートフォンで遠隔操作できるようにする、乾電池型IoT「MaBeee(マビー)」が、8月4日に発売を迎える。クラウドファンディングサイト「Makuake」で過去最高の支援者数(IoTベンチャーカテゴリー、2015年当時)となる898名、640万円の資金調達に成功するなど、注目と期待を集めてきた製品だ。

ユーザーのアイデア次第でさまざまなものをコントロールできるMaBeeeは、玩具用途にとどまらない可能性を秘めている。この製品は、どのように生まれたのか。

MaBeeeを開発したノバルス代表取締役の岡部顕宏氏は、出版社アスキーなどを経て2002年にセイコーインスツルに入社し、新規事業開発を担当した経験を持つ。

「2005年にBluetooth搭載腕時計の通信規格策定に関わったことが、乾電池型IoTの発想の原体験かもしれません。当時、『腕時計に通信機能をつけてどうするの』と散々言われましたが、現在はスマートウオッチが当たり前のように普及している。同様に、電池をIoT化することで、全く新しい体験や市場を創出できると考えました」

岡部 顕宏(ノバルス 代表取締役)

IoTの民主化を目指す

社会を大きく変えるイノベーションは、テクノロジーが民主化される過程で起きてきた。その代表がパソコンやインターネットだが、「IoTも民主化されるべきもの」と岡部氏は言う。

プログラミングと電子工作の敷居を下げたシングルボードコンピュータ「Raspberry Pi」はIoTの民主化の第一歩と言えるが、世界で1000万台以上が出荷されているとは言っても、ユーザーはエンジニア層が中心だ。岡部氏は、身近な乾電池を自由にコントロールできるプラットフォームをつくることで、真のIoTの民主化を目指すという。

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