アウトドアフィットネス 自然は「遊び場」、スポーツを日常に
クラブハウスは、リノベーションした古民家。海や山を舞台に、日常的にフィットネスを楽しむ。その新ビジネスは、多くの企業・自治体からも注目を集めている。
風を切りながら里山を走り、空と大地を感じながらヨガを楽しむ。海や山などの自然資源、企業が持っている遊休地、まちの公園などを舞台にスポーツを楽しむ「アウトドアフィットネス」が人気だ。
アウトドアフィットネスを生み出したのは、BEACH TOWNのCEO、黒野崇氏。2007年に神奈川県葉山町で「BEACH葉山アウトドアフィットネスクラブ」を創業したのを手始めに、現在までに全国で20近い施設を手掛けている。
2015年に東京・昭島にオープンした「クライミングジム&ヨガスタジオ PLAY」は、飛行機の格納庫を再活用した施設だ。「PLAY」には現在、月額会員とチケット利用の会員を含め、5000人の会員がいる。商圏が10万人規模の昭島で、すでに多くの住民に浸透していることがわかる。
「PLAY」のウェブサイトには、次のメッセージが書かれている。
「アウトドアスポーツを日常に。人生を『遊び続ける』きっかけの場所。美しい自然の中で楽しく『続けること』。遊びながら、気づいたら健康に」
それはそのまま、黒野CEOがアウトドアフィットネスという新業態で目指すビジョンでもある。
趣味のアウトドアがヒントに
黒野CEOは1970年生まれ。日本体育大学の健康学科でスポーツ医学を学び、卒業後は病院が経営するメディカルフィットネスクラブに勤務。それは病院自らが「なるべく病院に頼らない身体づくり」を実践する先進的な取り組みであり、日本初の施設だった。
黒野CEOは予防医療の現場に身を置き、その仕事にやりがいを感じていたが、次第に違和感も覚えるようになった。
「ベルトの上を走り続けるような運動では、継続へのモチベーションが生まれません。長く続けないと効果は出ず、やめると身体機能は元に戻ってしまいます」
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