基礎知識の有無で対応に大差、刑事事件の実際の流れ

これまではビジネスに関する法制度の紹介をしてきたが、今回は趣きをかえて、刑事事件の流れについて解説する。会社や従業員が巻き込まれた場合に、その対応を知っておくことが有用だ。

ビジネスに関する法制度については、日頃から直接接したり、各種メディアで取り上げられたりと比較的知識を得る機会があると思われるが、刑事事件の実際の流れについて知る機会というのは少ないのではないかと思う。会社が刑事事件に巻き込まれた場合はもとより、例えば従業員が刑事事件を起こした場合の対応など、会社を経営する上でも基本的な流れは知っておくことが有用である。実際に事件が起こると、刑事事件はかなりのスピードで動くことから、事前に基礎知識をもっているといないとでは、いろいろな対応に大きな差が出ることとなる。

捜査の流れ

刑事事件は、基本的には警察が最初に捜査を行うことによって始まる。警察が通報を受けて認知する他にも、被害者が被害届や告訴を行うことによって捜査が開始される。捜査については、大きく分けて2種類ある。在宅捜査と強制捜査である。

在宅捜査は、被疑者を逮捕することはせずに、警察署への呼び出しを繰り返して捜査をすることである。被疑者が、自宅から警察署に行って取調べを受けることから、「在宅事件」とも言われる。比較的軽微な事件や交通事件の多くは、在宅事件として扱われる。

強制捜査は、被疑者を逮捕して捜査を行うことである。被疑者の身柄が拘束されることから、「身柄事件」とも言われる。

在宅事件となるか身柄事件となるかによって、捜査の時間的なスピード感が全く異なってくる。

身柄事件の場合には、次のような時間的な制限の下で捜査が進められる。まず、警察は被疑者を逮捕してから48間以内に、被疑者の身柄を検察官へ送らなければならない。これは、検察官に身柄を送るということで、「身柄送検」と呼ばれている。検察官は、送られてきた被疑者を取り調べて、送検から24時間以内に、被疑者の身柄を引き続き拘束して捜査を行うか釈放するかの判断し、身柄拘束の継続が必要と判断した場合には、裁判所に対して被疑者の勾留を請求する。

他方で、例えば、この時点で、無実であることは明白となった場合や、身柄拘束を続ける必要はなく在宅事件として捜査を続けることで十分捜査は可能であると判断したような場合には、検察官は勾留の請求をすることなく被疑者の身柄を釈放することとなる。裁判所の判断で勾留となった場合には、通常は警察署の留置場に戻って、10日間、身柄拘束が継続し、その間に警察や検察官による取調べが行われる。

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。

  • 記事本文残り68%

月刊「事業構想」購読会員登録で
全文読むことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!

初月無料トライアル!

  • 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
  • バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
  • フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待

※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。