個人情報保護と法改正のチャンス

前回の「営業秘密」に引き続き、近時、問題意識が高まっている「情報」に関する分野では、「個人情報」に関する問題がある。特に、本年の通常国会では、個人情報保護法の改正法案が提出されている。改正法案では、いわゆるビッグデータの利用促進のための条項も設けられている。

個人情報の定義と改正法案のポイント

個人情報保護法における個人情報とは、生存する個人に関する情報であって、その情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等によって、特定の個人を識別することができるものとされており、他の情報と容易に照合することができて、それを照合することによって特定の個人を識別することができるようになるものも含むとされている。番号の羅列だけであると、それだけでは個人を特定できず、個人情報保護法における個人情報に該当しないのではないかとされていたが、改正法案では、「個人識別符号」というものが追加され、個人情報の範囲をより明確化した。この「個人識別符号」の例とされているものとしては、顔や指紋のデータ、マイナンバー、運転免許証やパスポートの番号、基礎年金番号、保険証番号である。

さらに、改正法案では「匿名加工情報」という概念が新しく作られた。匿名加工情報とは、特定の個人を識別することができないように、個人情報を加工して復元することができないようにしたものである。これはいわゆるビッグデータを想定している。匿名加工情報に該当するものは、本人の同意がなくても第三者に提供できることとなっているため、データを活用できる範囲が広がっている。従来、特定の個人を識別することができないのであれば、個人情報保護法の規制を受けない可能性もあったが、条文上必ずしも明確ではなかった。そのため、どのようなデータが本人の同意なくとも合法的に活用できるのか必ずしも明確とはいえなかった。いわゆるビッグデータなどの活用が高まりを見せる中で、法文上もこれを明確にすることで、データの利用を促進するため、このような改正法案が提出されている。「匿名加工情報」として本人の同意なくとも第三者に開示できる情報となるために、どのような加工をする必要があるのかについては、新しく設置される「個人情報保護委員会」の規則等において、その具体的な内容が明らかとされることとなっている。

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