博報堂から尼崎市顧問へ 船木成記氏が目指す都市ブランディング
尼崎市はシティプロモーション責任者に博報堂ディレクターをスカウト。ソーシャルマーケティングやインナーブランディングの手法を活かし、都市イメージの向上を目指そうとしている。
大阪市に接する兵庫県南東端の自治体、尼崎市。阪神工業地帯の中核を担う都市として栄えてきた一方で、「公害のまち」というイメージも抱えていた。しかし近年では、NPOが主催する「日本の環境首都コンテスト」で10年連続ベスト10入りするなど、環境都市としての認知を広めつつある(2013年には環境モデル都市に選定されている)。また、都市の体質転換のために子育てのしやすさをアピールするなど、ファミリー世帯の転入促進を目的として総合的な都市イメージの向上を図るべく、稲村和美尼崎市長は、2012年にシティプロモーション推進部を新設。その統括責任者として、博報堂ディレクターの船木成記氏を市顧問としてスカウトした。
マチへの自己肯定感を高める
船木氏は環境省の温暖化防止キャンペーン「チームマイナス6%」や内閣府の「ワークライフバランス」の「カエル!ジャパン」キャンペーンをソーシャルマーケティングの視点でプロデュースしてきた。
目的や利害の異なる人たちが大きなテーマの下に集い、社会に変化を生み出すために協働で課題解決を図る手法の一つがソーシャルマーケティングだ。「そこで大事なのはテーマの立て方です。ワークライフバランスも誤解されている面が多いのですが、仕事と家庭の両立ではなく、ライフを私生活のことではなく文字通り生きることと捉えると、ライフの中にワークがあり、対立する概念ではないことがわかります。いかによく生きるか、QOLの問題と捉え直すことで、視点がガラッとかわります」と船木氏。
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