2014年12月号
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地方創生 2つの輪

人口1300人の町に集まる大企業 被災地に学ぶ「集める技術」

立花 貴(sweet treat 311代表理事)

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東日本大震災で人口が4分の1に減少した宮城県雄勝町。ここに今、全国から続々と人が集まっている。目的は廃校を教育観光施設に再生するプロジェクトだ。企業や投資家の共感を集めるプロジェクトは、どのように生まれたのか。

地元住民や東京の企業を巻き込んで進む、宮城県雄勝町の学校再生プロジェクト

廃校を教育観光施設に再生

美しいリアス式海岸に面した宮城県石巻市・雄勝町は、震災の大津波で建物の8割が破壊された。その後の人口減少は深刻で、震災前に4300人だった人口は、現在では1300人まで減ってしまった。

人口減に歯止めをかけるには、新しい産業を育てるしかない――。被災地支援団体と地元住民が協力して始まったのが、築90年の廃校を、環境教育や農林水産業体験のできる施設に再生するプロジェクト。いよいよ来年夏、「MORIUMIUS(モリウミアス)」という名称でオープンする。

1年半で2500人が雄勝町を訪れ、改修作業に参加

「高台にあって津波被害を逃れた小学校を、宿泊施設やレストラン、コミュニティスペースを設けた子ども向けの滞在型学習施設に再生する計画です。交流人口を取り込み、これを町の新しい産業にしていきます。子どもたちが大人になった時、地元で就職できる場を作っておきたい」と構想を語るのは、プロジェクトを推進する公益社団法人sweet treat 311の代表理事、立花貴氏だ。

立花氏は伊藤忠商事を経て食品流通会社エバービジョンを設立。震災をきっかけに故郷の宮城に戻り、キッザニア創業メンバーの油井元太郎氏と共に、被災地支援団体を設立。2013年から小学校の改修を始めた。

企業や投資家を巻き込む手法

小さな町を舞台にしたプロジェクトにも関わらず、全国に支援の輪が広がっている。

改修作業にはこれまで全国からのべ2500人が参加。地元住民はもちろんだが、ポイントは、地縁を活かして全国に散らばる小学校の卒業生に応援を呼びかけたこと。「母校再生へのモチベーションは高く、毎週末に改修のために集まってくれます。卒業生を全国から集めて企画した運動会は、50年ぶりに再会する人たちもいました」

立花 貴 sweet treat 311代表理事

そして、東京や大阪の大企業や行政機関が多数、人員を派遣していることも特徴だ。例えば、三菱商事は毎月ボランティアバスを出し、多い月では30人の社員が雄勝町を訪れる。人事院は新人研修の場に学校再生プロジェクトを活用。全省庁の新人の5%が、5週間に渡り雄勝町を訪れている。

彼らは改修作業だけでなく、漁師と共に船に乗って海産物を獲り、また地元住民と密に交流するなど、単なるボランティアに留まらない活動をする。

豊かな自然すべてが教材。教育観光を町の新たな産業にしていく

残り52%

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