大分県は大痛県 大ヒットCMを生んだ「逆境を笑う」企画の発想術

多くの話題を集め、全日本広告連盟の地域優秀賞も受賞した「おんせん県」CM。全国各地に温泉がある中で、当初、「おんせん県」のキャッチフレーズは、非難を集めた。そうした逆境を戦略的に活用し、ヒットCMは生み出された。

2013年、大分県のキャッチフレーズ「おんせん県」は、他県からの反発にさらされた。「温泉は日本中にある」と非難され、商標登録を目指した「おんせん県」は却下。

しかしその後、「おんせん県おおいた」で登録は受理された。そうした経緯を逆手にとった「おんせん県って言っちゃいましたけん!」というコピーが評判になったのである。

「おんせん県」の名称が、有名温泉地を持つ他県から叩かれたことを逆手にとり、「おんせん県って言っちゃいましたけん!」というキャッチフレーズを考案。逆境にある自県を「大痛県」と称するなど、ユーモアあふれるCMの展開で話題を集めた

あえて火に油を注ぐ

電通九州が大分県の広報立案について依頼説明を受けたのは、まさに「おんせん県」が他県からバッシングされている真っ最中だった。

CMプランナーの左俊幸氏は「どうしてこんなことに......」と思う反面、さまざまな自治体がピーアールに躍起になっている中で、「おんせん県」の登録商標を申請しただけでこれほど話題にされるなんてラッキーという思いもあった。

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