稼げる「チームづくり」に奮闘

野球では四国アイランドリーグplusに所属する高知ファイティングドッグス、サッカーではJリーグ入りを目指す南国高知FCが、地元に根差すチームづくりで奮闘。それぞれの地域密着戦略を展開し、成果をあげている。

四国サッカーリーグで上位に位置する南国高知FC。Jリーグ参入への挑戦が続いている

2005年に四国アイランドリーグとして誕生し、今年で9シーズン目を迎える四国アイランドリーグplus。幼い頃からプロ野球の道を目指し、高校・大学で実績を上げても、実際にNPB(日本野球機構)のチームに入れるのはわずか一握り。不況により社会人チームも減少する中で、四国アイランドリーグplusはNPB入りのチャンスをつかみたい選手に、チャンスを与える場でもある。

高知県は四国4県の中でも野球への関心が高く、高知ファイティングドッグス(高知FD)の発足は熱く歓迎された。初年度にリーグ優勝したことも、地元チームへの期待を高めた。

小学校で野球教室を開催し、地域のイベントにも積極的に参加。野球の指導に出向くほか、地元の園児と一緒に田植えや稲刈りも行っている

野球で過疎の町に活気

当初は高知市内を本拠地に、選手はバラバラに居を構えていた。10年から佐川町と越知町がホームタウンとして名乗りを上げ、佐川町が宿舎を、越知町が練習場を提供。高齢化が進む過疎の町は、活気を帯びた。

武政重和
高知ファイティングドッグス球団 代表取締役

高知FD球団社長・武政重和氏は、「若くてガタイのいい男たちが町を歩いていると、町の人たちにすぐに高知FDの選手だと気づいてもらえて、声を掛けていただくことも多いです」と語る。宿舎で暮らす選手たちのまとまりはもちろん、町の人との一体感も生まれたという。

その後も住民との交流は深く、小学校に野球の指導に出向くほか、地域の交流会や報告会、お祭りや運動会などのイベントにも積極的に参加。水田の所有者と協同で米を作っており、地元の園児と一緒に田植えや稲刈りも行っている。最近では、観光庁の事業の一環として、高知FDを観光資源にしようというモニターツアーも催された。

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