光サービスで新たな文化を創造

NTT西日本の村尾和俊社長は、「光サービスによる新しい文化、ライフスタイルの創造」というビジョンを掲げた。積極的にアライアンスを組み、西日本から、大阪から、世界最先端のインフラをベースに新たなコンテンツ、サービスを生み出そうとしている。

NTT西日本の村尾和俊社長が説く「光サービスによる新しい文化、ライフスタイルの創造」の思いは、アップルの創業者、スティーブ・ジョブズの考えに触発されたものだという。

「ジョブズは文化の創造なしには顧客へのサービスの普及はあり得ないという思いを研ぎ澄ませていった結果、iPhoneを生み出し、そこで使うアプリが自己増殖的に増え、情報通信の世界でビッグマーケットを切り開きました。当社も数字を追求するための戦略を示す前にまず哲学を持ち、それを社員とシェアすべきと考えたのです」その背景には、スマートフォンの普及や他の通信事業者との激しい顧客獲得競争により、収益の柱である光サービスの普及が伸び悩んでいる実状がある。

「安いものを提供するだけでは、お客様の満足を得ることはできません。

生活シーン、ビジネスシーンで求められているコンテンツを拡充することによって光回線に加入して得られる楽しさ、便利さ、豊かさを訴求していきたいと考えています」

アライアンスを積極化

さらに村尾社長は、このビジョンにもとづく成果を世の中に送り出していくために社員に意識変革を求めた。それは「自前主義からの脱却」だ。

「当社は固定通信事業者なので基本はあくまでも光回線ですが、ユーザー側に立てばスマートフォンやタブレットをはじめモバイル系が主流です。光回線だけでは変革は起こせませんから、光の良さを活用しながらモバイル系やテレビなどと組み合わせる必要があります。また、私どもは安心、安全、信頼にこだわってきましたが、それゆえに慎重になりすぎていた面もあります。