世界的な知名度の高さでインバウンドに貢献

観光の産業化に力を入れる鈴木英敬知事が県政を担うようになってから、「世界に誇る観光資源」と評されているのが、忍者だ。世界的知名度を誇る忍者を観光の1つの目玉にして国内外の来訪者を呼び込みために、様々な試みが始まっている。

三重県の伊賀地域を発祥とする「忍者」は、アニメなどの影響で日本全国だけでなく、世界的にも高い認知度を誇る。地域の観光資源として、その知名度を活かした取り組みがスタートしている。その中心を担っているのが、伊賀上野観光協会だ。

「忍者」で町おこし 年間4万人が変身

伊賀を訪れた観光客のうち、年間3~4万人が忍者に変身する(伊賀上野観光協会の推計)

伊賀地域で「忍者」を観光の目玉にしようという動きが始まったのは、1952年に遡る。

上野市(当時)で世界子ども博覧会というイベントが開催された際、パビリオンで忍者を紹介したところ思いのほか好評を博したのが理由の1つだ。そして64年、当時の観光協会の会長が個人名義で忍者屋敷(現在の伊賀流忍者博物館)を建設し、オープンさせると人気スポットになって5年で黒字化。以降、忍者祭り、服部半蔵など忍者の中心的な人物を主役にした時代行列、ニンジャーズダンスなどのイベントを開催してきた。

「忍者を冠した最初のイベントである忍者祭りは5、6年で終わりましたが、79年に始めた時代行列は16年間続きました。

95年には、忍者を国際的にアピールしたいという思いから、言葉のいらないダンスイベント、ニンジャーズダンスを企画しました。ニンジャーズダンスは5年間開催し、全国大会も行いました」(伊賀上野観光協会事務局長稲垣八尺氏) こうして数十年をかけて伊賀地域の観光資源として「忍者」が定着した中で、2001年から新しい動きが始まった。

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