客を呼び込む売り場の魅力

競争が激しいアメリカの小売業界では、価格と品揃えだけでなく、売り場における顧客とのコミュニケーションで差別化し、業績を伸ばしている企業がある。

販売していないタイヤの返品を了承したという逸話を持つ高級百貨店ノードストローム(写真提供:日本小売業協会)

3億人を超える多様な人種、多彩な階層の人々が共存するアメリカでは、小売業者の顧客とのコミュニケーションも簡単ではない。海外の小売事情に詳しい日本小売業協会の国際・企画担当部長の近江淳氏は、「アメリカははっきりとした階層社会なので、厳格に顧客対象者を絞ったターゲットマーケティングが最も重要だと言われています」と語る。

「小売業者は所得だけではなく、感性、ファッション、生活スタイル等で顧客ターゲットを絞り込んでいます。そのターゲット層以外のことは気に留めない。日本の企業のように、多数のお客さんにそこそこのお金を使ってもらうのではなく、今まで1万円買ってもらっていたお客さんに2万円買ってもらうためにはどうしたらいいかを追求しています。お客さんが先にあって、そのお客に対して自分たちの方針をどうやって伝えて、買ってもらうかということを深化させているのが、日本とは違うところですね」

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