変化する自動車の利用スタイル

消費者のニーズをどう引き出し、生産側へフィードバックするか。これは小売りのシステムがいつでも抱える大きな課題である。国内の自動車業界は、レンタルやシェアといったサービスを次々と生み出してきたが、ここへきて「軽」や「マイクロ」で個人への回帰が見え始めた。

日産自動車のマイクロEV、「ニューモビリティコンセプト」。横浜市と共同で横浜市中心部を実際に走行体験してもらう無料で貸し出しの実証実験を行った

高度経済成長期以降、自動車は一世帯に一台以上の割合で普及してきた。しかし、近年は都市部を中心に、自動車を持たない流れが加速。シェアサービスやレンタルが普及し、若年層の自動車所有率は年々低下している。

その一方で、日本の自動車マーケットでの存在感を日に日に高めているのが軽自動車だ。国内の新車マーケットは、どんどんと縮小していく中、軽自動車は1990年には現在とほぼ同等の年間180万台の販売実績を獲得。12年の実績を見れば、新車の乗用車販売と比較すると軽自動車の割合は4割に近づくほどになっているのだ。その増加の理由は、自動車保有におけるコスト負担(その多くが税金)にある。普通乗用車に対して軽自動車は圧倒的に税負担が少ない。つまり優遇税制政策が続く限り、軽自動車への強いニーズは消えることはない。

「軽自動車」がメーカーの主戦場に

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