独自路線でファンを獲得

百貨店やスーパーといった総合業態が退潮傾向のなか、勢力を拡大する企業もある。不況下の今、注目を集めている小売業者は、どのような取り組みをしているのだろうか

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その専門性ゆえに顧客から評価されている有力専門店の中では、最近、「ジャパン」をキーワードにした取り組みが目立つ。「ユニクロ」、「ニトリ」に代表されるSPA(製造小売)型の大手は、中国、東南アジアなど生産拠点を海外に求め低価格を実現、競争力を高めて急成長し、一大チェーンにのしあがった。こうした動きとは一線を画し、メイドインジャパンで品質にこだわりながら、4900円という手ごろなプライスのベーシックなドレスシャツで、OL、ビジネスマンの支持を得て、存在感を示しているのがメーカーズシャツ鎌倉だ。国内に28店舗を展開、2012年10月にはニューヨークに出店し海外進出を果たした。

同社は1枚1万5000円のシャツと同等の品質と着心地をめざしながら、初めに「価格ありき」で、絶対購入してくれるだろう4900円に設定し、その実現のために、素材の調達から協力工場の選定、店舗運営の仕組みまで構築した。SPAがおしなべて低原価率なのに対して、売上に対して58%という高率ゆえに、品質に対して圧倒的な買い得感を打ち出すことが可能になった。こうした取り組みによって価格競争から免れて、ファンともいえる強固なリピーターを獲得、がっちり顧客を囲い込んでいる。

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