ふるさと納税が地方と日本を元気にする

ふるさと納税スキームの提唱者である平井鳥取県知事。地域の活性化を促進するため、地域の現状をどのように見て、どんな将来を見据えているのか。ふるさと納税の第一人者とも言える知事の考えを聞いた。

鳥取県知事 平井 伸治

ふるさと納税を提唱した思い

地方の各自治体がたくさんのお金を投じて育てた子どもたちが都会に出たまま帰ってこないという現実がある。それならば都会の人たちからふるさとを思う気持ちを寄附という形に変えて支援してもらえないものだろうか。

そのような同じ思いを持つ他県の知事と一緒になって国に声を挙げたところ、総務省、政府がその意を汲み、ふるさと納税という素晴らしい制度が誕生した。

地方の良さはなかなか伝わらないものだが、ふるさと納税はそうした埋もれたままの地域資源を伝えるメッセージを発信する役割も果たしてくれている。今後もこれを育てて発展させていかなければいけないと思っている。

地震からの復興にも活用

2016年10月に発生した鳥取県中部地震では1万5,000棟を超える住宅が被害に遭った。短周期の揺れであり住宅倒壊は少なかったが、屋根瓦に被害が生じ、多くの住宅で修繕が必要となった。そこで本県は、国からの支援で漏れてしまう一部損壊(損害基準判定10%以上20%未満)も含めた住宅再建への支援制度を全国で初めて作った。そこにふるさと納税で集めたお金を充当した。クラウドファンディング型で、返礼品がなくても多くの寄附を受け、復興に役立てることができた。もちろん家が建つほどのお金には到底足りないが、この制度があったことで、修理してまたこの家に住もうという勇気の源になった。

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