自動車工業など上昇で1月鉱工業生産回復 一進一退の基調維持
(※本記事は経済産業省が運営するウェブメディア「METI Journal オンライン」に2026年3月2日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)
1月の生産は3か月ぶりの前月比上昇
2026年1月の鉱工業生産は、季節調整済指数104.0、前月比2.2%と上昇となった。
これまでの生産の動向については、2025年9月、10月と2か月連続の上昇の後、11月、12月と2か月連続で低下した。そして、1月は自動車工業やプラスチック製品工業などが上昇したことから、全体として3か月ぶりの上昇となった。
全15業種のうち13業種が上昇
1月の鉱工業生産を業種別にみると、全15業種のうち13業種が前月比上昇、2業種が同低下という結果だった。
自動車工業やプラスチック製品工業などが上昇したことから、全体として上昇した。
上昇寄与度の最も大きかった自動車工業では、普通乗用車、駆動伝導・操縦装置部品などが主な上昇要因となっている。次に上昇寄与度が大きかったプラスチック製品工業では、プラスチック製機械器具部品、プラスチック製フィルム・シートなどが主な上昇要因となっている。
一方、低下寄与度が最も大きかった生産用機械工業では、半導体製造装置、フラットパネル・ディスプレイ製造装置などが主な低下要因となっている。次に低下寄与度が大きかったパルプ・紙・紙加工品工業では、印刷用紙(塗工)などが主な低下要因となっている。
出荷は3か月ぶりの上昇
1月の鉱工業出荷は、季節調整済指数102.2、前月比3.2%と、3か月ぶりの上昇となった。
業種別にみると、全15業種のうち13業種が前月比上昇、2業種が同低下という結果だった。
1月は、自動車工業や電気・情報通信機械工業などが上昇したことから、全体として上昇した。
上昇寄与度の最も大きかった自動車工業では、普通乗用車、駆動伝導・操縦装置部品などが、次に上昇寄与度が大きかった電気・情報通信機械工業では、リチウムイオン蓄電池、自動車用電気照明器具などが主な上昇要因となっている。
一方、低下寄与度が最も大きかった生産用機械工業では、半導体製造装置、フラットパネル・ディスプレイ製造装置などが、次に低下寄与度が大きかった輸送機械工業(除.自動車工業)では、航空機用発動機部品が主な低下要因となっている。
在庫は2か月連続の上昇
1月の鉱工業在庫は、季節調整済指数98.3、前月比0.1%と、2か月連続の上昇となった。
業種別にみると、全15業種のうち、3業種が前月比上昇、12業種が同低下となった。
上昇寄与度の最も大きかった自動車工業では、普通乗用車、普通トラックなどが主な上昇要因となっている。一方、低下寄与度が最も大きかった電子部品・デバイス工業では、線形IC、トランジスタなどが主な低下要因となっている。
在庫率は3か月ぶりの低下
1月の鉱工業在庫率は、季節調整済指数101.0、前月比マイナス4.6%と、3か月ぶりの低下となった。
在庫循環図をみると、2021年第3四半期までは、「在庫積み増し局面」にあり、同年第4四半期から2023年第2四半期までの期間は、「在庫積み上がり局面」に位置していたが、2023年第3四半期には、「在庫調整局面」に達し、2024年第4四半期には、「在庫調整局面」を抜け出て「意図せざる在庫減局面」に入り、その後2025年第1四半期には「在庫積み増し局面」に入ったが、2025年第2四半期には再び「意図せざる在庫減局面」に戻り、2026年第1四半期(速)においても「意図せざる在庫減局面」に位置している。
これまで、一部の業種において、積極的に在庫の削減に取り組まれてきたと考えられ、その効果が顕在化されてきた可能性があるが、今後の動向に注視していく必要がある。
2月と3月の2か月を通じた生産計画
続いて、製造工業生産予測指数に基づいて、2月と3月の2か月を通じた生産計画について見ていく。
2月の生産計画では、前月比マイナス0.5%の低下を見込んでいる。この計画どおりに生産されれば、2月の鉱工業生産の実績は、2か月ぶりの低下が見込まれる。
また、3月の生産計画については、2月の計画からマイナス2.6%と低下する見込みである。
生産計画は、生産実績よりも上振れする傾向がある。そこで、2月の生産計画について、生産実績との間で生じるズレを統計的に補正すると、2月の生産実績の見通しは、前月比マイナス1.9%と低下する見込みである。
業種別にみた生産計画
2月と3月の2か月の生産計画による業種ごとの生産予測の伸び率を通じてみると、以下の図のようになる。
2月の生産計画では、11業種中5業種が前月比低下、6業種が同上昇、3月の生産計画では、7業種が前月比低下、3業種が同上昇、1業種が同横ばいの計画となっている。
2月の生産計画は、電子部品・デバイス工業、金属製品工業などの低下により、全体としては低下する見込みである。
3月の生産計画は、電気・情報通信機械工業、汎用・業務用機械工業などの低下により、全体としては低下する見通しである。
1月の生産の基調判断は、「一進一退」に据え置き
2026年1月の鉱工業生産は、前月比2.2%と上昇した。
これまでの生産の動向については、2025年9月、10月と2か月連続の上昇の後、11月、12月と2か月連続の低下、そして1月は自動車工業、プラスチック製品工業などが上昇したことから、全体として3か月ぶりの上昇となった。
先行きに関しては、企業の生産計画では、2月、3月ともに低下を見込んでおり、企業の生産計画は、しばしば実績から上振れする傾向があることから、こうした影響も考慮すれば、一進一退の傾向は継続するものと見込まれる。
こうした状況を踏まえ、鉱工業生産の1月の基調判断については、「一進一退」に据え置く。
なお、今後は、世界経済の動向などについて、注視していく。
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参考図表集
マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」
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