米でサブスクのワンクリック解約が義務化 サブスク経済への影響を解説
(※本記事は『THE CONVERSATION』に2024年11月1日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)
ストリーミングサービスの加入や新聞の定期購読への申し込みは、これまでになく簡単になった。
一方で解約は、電話や郵便を使った手続き、アプリ内のリモートメニューに埋もれた解約オプション探しなど、厄介な長旅を強いられることがある。
そして、そもそも解約すること自体を覚えていれば、の話だ。
現在、米国連邦取引委員会(FTC)が決定した新たなルールにより、不要になったサブスクリプション(サブスク)の解約は、より簡単になる見通しだ。
このルールは、サブスクの解約を登録と同じくらい簡単にすることを目的としている。FTCは、サブスクは1回のクリックで解約できるはずだという論理のもと、このルールを「クリックで解約」(Click-to-Cancel)と呼んでいる。
新ルールは2025年4月14日に施行される予定だ。
この取り組みは、1973年に制定された、いわゆる「ネガティブ・オプション規則」(Negative Option Rule)を更新したものである。この規則は雑誌や月刊誌といった商品の定期購読サービス、つまり物理的な商品が何度も送られてくるサービスを対象にしていた。「ネガティブ・オプション」という言葉は、サービスのルール上、契約者が何もしない限り定期購読が継続するという事実を指している。すなわち契約者が定期購読をキャンセルしなかった場合、企業は顧客にさらに1年分の料金を請求できる。沈黙は同意ということだ。
1973年の規則では、「事前通知」型のサブスクリプションにのみ適用されていた。これはサービス側が契約者に商品を送り、契約者が何も行動を起こさなければ、その代金を支払う義務を負うというものだ。これは、かつてコロムビア・レコードが運営していた「コロムビア・ハウス・レコード・クラブ」で使用していたモデルで、契約者に定期的に音楽を送り、返品してこなければ、その代金を請求していた。
新ルールでは、オンラインで顧客が契約できる企業に、解約もオンラインでできるようにすることが義務付けられる。一部の企業では、オンラインで登録した顧客に対し、電話や対面での解約を強いていた。「クリックで解約」の新ルール施行後は、企業は顧客に別の方法でキャンセルを迫ることはできなくなる。
続きは無料会員登録後、ログインしてご覧いただけます。
-
記事本文残り75%
月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!
初月無料トライアル!
- 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
- バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
- フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待
※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。