三菱電機、オランダ2社を完全子会社化 欧州データセンター向け冷却事業を強化
三菱電機株式会社は、データセンター向け冷却システムなどを手がけるオランダのAPACグループとCOMPACグループについて、2026年7月13日に全株式を取得し、完全子会社化した。三菱電機はデータセンター向け冷却システムを重点事業のひとつに位置づけており、両社が持つ据付工事や保守サービスの機能を取り込むことで、欧州市場において、機器販売から工事・保守までを一貫して担うワンストップのサービス体制を強化する。
APACグループは1987年に設立され、データセンター向け冷却システムの販売、据付工事、保守で豊富な実績を持つ。COMPACグループは2014年設立で、アプライド空調システム(大型建物向けに個別設計する空調システム)の販売や据付工事、保守を手がける。三菱電機は今後、冷却システムにとどまらず、電源システムや設備監視、セキュリティといった冷却以外のユーティリティ設備も含めた、データセンター向けの総合的なソリューション提供を目指す。
今回子会社化した両社は、いずれも三菱電機の100%子会社であるMitsubishi Electric Hydronics & IT Cooling Systems S.p.A.(MEHITS)の傘下に収める。APACグループはAPAC Airconditioning B.V.など3社、COMPACグループはCOMPAC Group B.V.など2社で構成される。
三菱電機にとって今回の買収は、成長する欧州のデータセンター市場を取り込むための布石となる。冷却機器そのものは自社に幅広い製品ラインアップを持つ一方、現地での据付工事や保守といったサービス機能は、実績のある地場企業を取り込むことで早期に確保できる。両社の工事・保守能力と自社製品を掛け合わせることで、機器販売にとどまらないワンストップの供給体制を欧州で整え、顧客の要望に応えながら事業の拡大につなげる狙いだ。
データセンター向け冷却システムの需要は世界的に増加している。欧州でも、フランクフルトやロンドン、アムステルダムといった主要都市に加え、北欧や南欧でも建設が進む。こうしたなかでデータセンター事業者からは、システムを安定して稼働させるため、機器の据付工事だけでなく保守も含めたサービスへの要望が高まっている。メーカーが持つ製品供給力と、現地での工事・保守能力を組み合わせた今回の取り組みは、拡大する欧州のデータセンター市場に対応するサービス供給のあり方を示すものといえる。