TOPPAN、NTTデータ、FPSC デジ庁「ガバメントAI源内」向けに約1800万ページをAI-Ready化
TOPPAN、NTTデータ、Fides Policy & Strategy Consulting(FPSC、東京都渋谷区)の3社は、政府の生成AI利用環境「ガバメントAI源内」で使う大規模データセットの整備とそのAI-Ready化、およびAI向けデータセット標準の検討に取り組むと発表した。デジタル庁が推進する「ガバメントAIのための大規模データセットに係る調査・収集・加工等事業」の一環。TOPPANが事業を受託し、NTTデータ、FPSCと連携する。推計で約1800万ページ相当の政府共通データ・ドメイン特化データを対象に整備を進める。
AI-Ready化とは、AIが理解しやすいように、品質を担保してデータを構造化することを指す。今回の事業では、政府横断的に有用な「政府共通データ」と、各省庁・各部局の特定業務で利用する「ドメイン特化データ」を収集・加工し、AIが利用しやすい形式へ整える。また「ガバメントAI源内」は、デジタル庁が内製で開発した生成AIの利用環境のこと。デジタル庁が、政府職員が安全かつ適切にAIを活用できる環境として整備を進めている。2026年度には約18万人の政府職員を対象とした大規模実証が進行中だ。そしてその活用の拡大には、AIが参照・学習できる高品質なデータセットの整備が不可欠になる。
今回の事業は、大きく4つの柱で構成される。第1が権利処理で、収集データの知的財産権などの利用許諾交渉を実施する。第2はデータの収集・加工。閣議決定、国会会議録、白書などの政府共通データや、各省庁・各部局が特定業務で使う書籍などのドメイン特化データを収集し、OCRやクリーニングなどの前処理を経て、検索・学習・推論に適した高品質なデータに変換する。第3はメタデータの設計・作成・付与で、収集したデータセットに来歴情報、品質情報、権利情報、利用条件などのメタデータを付け、AIや利用者がデータの信頼性や利用可能性を適切に判断できる環境を整える。第4が「『ガバメントAI源内』データセット標準」の検討で、有識者ヒアリングや検討会を通じて、行政機関横断で活用できる政府共通のAI向けデータセット標準の素案を策定する。
各社の役割分担は次のとおり。TOPPANは、公共・金融分野で培ったBPO事業の業務分析力とデータ加工・構造化技術を生かし、行政実務のユースケースに基づくデータ選定・収集、権利処理、OCR処理、データ前処理を担当。行政文書をAI-Ready化し、検索・推論に適したデータセットを整備する。
NTTデータは、行政機関向けデジタルアーカイブや生成AI導入支援で培った知見を生かし、メタデータの設計・作成・付与や、政府共通のAI向けデータセット標準の検討を担う。FPSCは、中央官庁における行政官としての法令事務・各省協議の経験を生かし、AI向けデータ活用における法的論点の整理や権利処理スキームの構築を支援。著作権をはじめとする知的財産権に関する検討や権利処理の実務を担う。
3社は、政府職員が利用する「ガバメントAI源内」における政府共通データ基盤の整備を2027年3月までに実施する。あわせて有識者ヒアリングや検討会を通じてデータセットの構造化やメタデータ仕様などの検討を進め、今後もデータ収集・加工やメタデータ整備の知見を活用し、政府・自治体・企業のAI活用推進を支援していくとしている。
AIの回答精度の向上において、AIモデル自体の性能に加え、学習データや検索拡張生成(RAG)で参照するデータの品質が重要な要素だ。このため、データの収集だけでなく、メタデータの整備やデータ構造の標準化が求められる。加えて、経済安全保障やデータ主権の観点からも、国内の安全な環境下で、行政文書などの機微な専門知データを高品質なAI-Readyデータへ変換し、適切に管理・活用できる基盤の整備が課題となっていた。