UCCが水素焙煎コーヒーを量産化 環境配慮と味の革新を両立した新技術

(※本記事は「食品新聞」に2025年4月26日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

大型水素焙煎機「HydroMaster(ハイドロマスター)」
大型水素焙煎機「HydroMaster(ハイドロマスター)」

UCC上島珈琲は4月、レギュラーコーヒー製造の主力工場「UCC富士工場」にて世界で初めて水素焙煎コーヒーの量産を開始しカーボンニュートラルを推進するとともに、おいしさも向上させる。

4月23日、富士工場で発表会に臨んだUCCジャパンの上島昌佐郎社長は「水素焙煎コーヒーはおいしく、しかも環境にいい。カーボンニュートラルに貢献する水素エネルギーを活用し、おいしさという食における本質的な付加価値を生み出すことができたのは、世界のコーヒー産業・食品産業でも珍しくユニークな事例だと自負している」と語る。

UCCジャパンの上島昌佐郎社長
UCCジャパンの上島昌佐郎社長

同社が掲げるサステナビリティビジョンの1つ「2040年までにカーボンニュートラルの実現」に向けては「水素焙煎はそのための大きな第一歩」と力を込める。

水素焙煎コーヒーとは、コーヒーを焙煎する際の熱源に、一般的なガスではなく水素を使用したコーヒーのこと。バーナーで水素を燃やして発生した熱風を焙煎釜に送ることで焙煎する。

使用する水素は、官民・他業界の垣根を越えた連携とNEDOの採択を受けて開発されたP2Gシステムを使う。

再生エネルギーをベースとした電気で水の電気分解を行ってつくられる「グリーン水素」であるため、実質的にCO2フリーの熱源となる。

環境への配慮だけでなく、味わいにおいても優位性がある。水素は最小燃焼単位が小さいため、ガスでは出せない極弱火を出したり、ガスでは難しい緩やかな温度変化をつけたりが可能となっている。

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