増加する都市型洪水の被害を緩和 カナダでのグリーンインフラ導入事例
(※本記事は『THE CONVERSATION』に2024年9月9日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)
カナダでは都市型洪水がますます深刻な問題となっている。水の排水システムが能力を超えてしまうリスクが高まっているためだ。自然な流域は、土地の開発により大きく変わり、雨水が地表を流れ、水域に至る自然な流れが妨げられている。この結果、排水インフラは、より大量の水をより速い流量で処理する必要があり、同時に油や有機廃棄物などの汚染物質によって水質も悪化している。
さらに、過去に広く導入された合流式下水道では、雨水が汚水と混ざり合う。突然の豪雨があると、排水ネットワークが容量を超え、処理されていない汚水が近隣の水域に流れ出すことがある。これにより、毒性のある藻類が発生し、水中の酸素が減少して水生植物や動物が死滅する恐れがある。
今後数十年で、暴風雨の強度はさらに増すと予想されており、古い排水ネットワークの設計能力を超える可能性がある。グリーンインフラを導入して、流出量や流速を抑制することが、今後予想されるより強力な降雨によって排水システムが過負荷になるのを防ぐための重要な対策となるだろう。
幸いなことに、カナダの都市が洪水に強くなるためには、自然の水循環を回復する手段が存在する。
雨水管理に効果のあるグリーンインフラ 屋上緑化やレインガーデン、バイオスウェール
都市化が進む前の自然な水循環を回復するために、人工と自然の要素を組み合わせた技術が使われている。これには、雨水の流出速度を遅くし、一時的に貯留し、可能な限り地下に浸透させることが含まれる。
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