Z世代の新トレンド「アンダーコンサンプションコア」 インフルエンサーや過剰消費に対抗
(※本記事は『THE CONVERSATION』に2024年7月30日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)
欧米では、新たなTikTokのトレンド「アンダーコンサンプションコア」がオンラインで注目を集めている。このトレンドは、Z世代の新たな「節約志向」とも言えるものだ。ミニマリズムと節約を推奨し、消費文化に挑戦しつつ、購入した物の有効活用や、本当に必要なものだけを購入することを促している。
大量の衣類や化粧品、満杯の冷蔵庫を見せびらかす代わりに、人々はリサイクルショップで購入したものや、質素な洋服棚、実用的で日常的に使用されているアイテムを紹介する動画を投稿している。
このトレンドの台頭は、若者たちが直面している複数の課題、特に経済的な負担、環境問題、社会的なプレッシャーと関連している。特にZ世代や若いミレニアル世代がその影響を強く受けている。もしあなたも経済的に余裕がないと感じているなら、このトレンドに共感するかもしれない。
インフルエンサーの影響力を減らそうとする「デ・インフルエンシング(deinfluencing)」というトレンドと同様に、「アンダーコンサンプションコア」も過剰消費に対する反動として現れている。特に、インフルエンサーたちが購入品レビュー動画を投稿して過剰消費を正当化する様子に反発しているオンラインユーザーたちは、この「アンダーコンサンプションコア」を推進することで、インフルエンサー文化の一部を拒否し、対抗している。
環境意識の高まりから生まれた「アンダーコンサンプションコア」
このトレンドに共感する若者たちは、増大する経済的負担に適応する手段として取り組んでいる可能性が高い。
例えば、教育データ・イニシアチブによると、アメリカにおける学生ローンの平均借入額は、一人あたり37,574ドルに達している。学生ローンの負担は大きく、若者が自由な支出よりも借金の返済を優先せざるを得ない状況を生んでいる。
インフレーションもまた、Z世代の購買力を削ぎ続けている。カナダでは金利の引き下げなど経済的な救済措置が見られるものの、高価格の累積的な影響が若者の経済を圧迫し続けている。
「アンダーコンサンプションコア」は、こうした経済的な現実への適応を反映したものだが、それだけが理由ではない。このトレンドのもう一つの要因として、環境意識の高まりが挙げられる。
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