百姓一家 地域ネットワークで農業の高齢化・人手不足を克服

農林水産省の調査では、耕作放棄地(荒廃農地)となる原因の約半数が、高齢化、労働力不足とされている。国や自治体も、「農地バンク」を活用して、農地の集約化に取り組んでいる。富山県の百姓一家では、地域のネットワーク力を生かして高齢化・人手不足を克服しようとしている。

木田 昌幸(株式会社百姓一家 代表取締役社長)

富山県は、立山連峰をはじめとする北アルプスからの豊富で良質な水、粘土質でコメ作りに適した土壌に恵まれ、富山平野ではコシヒカリの栽培が盛んだ。「コメのゴールドライン」をめざす射水市の朴木(ほおのき)地区では、地区内の田んぼの耕作をほぼ丸ごと百姓一家が請け負っている。

大工の高齢化が構想の原点

百姓一家の創業者で代表取締役社長の木田昌幸氏は、建設業で使うクレーンを提供する会社、木田クレーンの社長でもある。

「富山県内を中心に、建設現場や土木現場、住宅建築現場などに、当社のクレーン車を出動させて現場の一部を請け負っています。住宅では、基礎工事や柱や梁などの骨組みを組み上げる建前(たてまえ)の工程でクレーンが使われます。最近、大工の棟梁や腕のいい職人さんが高齢化して、高所作業を不安がって現場から離れていくのを見てきました。まだまだ身体は元気でも、高所での作業は危険が伴います。仕事はあっても請負先がなくなるのは、住宅メーカーや工務店にとっても深刻な問題です。そこで、当社で建前工程を一括して請け負い、先に高所作業を当社で責任をもって施工することで、高齢の棟梁や職人が安全に活躍できる場を創出しています」と木田氏は語る。

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