世界で急成長のアンモニア市場 新技術で日本初のライセンサーに

世界各国が「脱炭素」へと舵を切るなか、環境負荷の低い革新的なアンモニア合成触媒技術で注目を集める、東京工業大学発ベンチャーのつばめBHB。小型プラントで地産地消のアンモニア生産を行うソリューションにより、世界の環境・食糧問題の解決を目指す。

脱炭素社会の実現に不可欠
世界中が注目するアンモニア

つばめBHBは、オンサイトアンモニア供給システムの研究開発と社会実装を目的として、味の素、投資ファンドのユニバーサル・マテリアルズ・インキュベーター、東京工業大学の教授陣が出資し2017年4月に創業された。

渡邊 昌宏 つばめBHB 代表取締役

アンモニアは農業用肥料や化学原料など幅広い用途で使用されており、つばめBHBによると、年率1%以上の成長率で生産量が増加、2020年時点の世界での生産量は約1億8370万トンにのぼる。さらに、「脱炭素」が世界共通のキーワードになり、アンモニアの需要は爆発的に増加する可能性がある。燃やしてもCO2が発生しないアンモニアは火力発電用燃料や船舶燃料として注目されるほか、水素を含むアンモニアは水素キャリアの有効な手段の一つであり、アンモニアから直接エネルギーを取り出す燃料電池の開発も進んでいる。日本でも政府が2021年10月に「2050年までのカーボンニュートラル達成」を宣言、カーボンを含まないクリーンな素材であるアンモニアの利活用が進むと考えられる。

つばめBHBが開発中のオンサイトアンモニア生産モジュールシステム(模型)

つばめBHB代表取締役の渡邊昌宏氏は次のように話す。「日本では年間108万トンのアンモニアが使用されており、そのうち国産は85万トンです。仮に国内の全火力発電所でアンモニアを代替燃料として使用すると1億トンが必要になります。世界の生産量から見てもとんでもない数字で、いったいどういう形で供給するのか、非常に大きな問題です」

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