普及段階にさしかかった実務家教員 求められる2つの能力

実務家教員の普及段階

実務家教員には、プレ段階、可能性段階、制度化段階、そして普及段階がある。前回の制度化段階では、専門職大学院とともに実務家教員も制度化されたことにふれた。専門職大学院では「理論と実践の架橋」という制度理念があり、それを体現するひとつが実務家教員であった。そして実務家教員の役割として期待されたのが「社会の知を取り込む」ということであった。

今、実務家教員の普及段階にさしかかっている。高等教育無償化の機関要件として、実践的教育を実施することをかかげ、一定の実務経験を有する教員の授業を課している。また2019年より制度化された専門職大学は、専任教員の4割以上を実務家教員と定めている。こうしてみると、高等教育制度化改革と一体化して実務家教員が語られている。高等教育機関にある程度の実務家教員に役割を与える、というまさに普及の段階に突入していることがうかがえる。他方で、これまでにも指摘されてきたように実務家教員の質にまつわる課題、あるいは一定数の実務家教員が大学等に参入してくる実質的な意義を問われるようになってくる。

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