食品素材分野で事業を拡大 商社からビジネスデザイナーへ

化学品を中心に扱う商社で創業190年の長瀬産業は近年、食品素材分野に注力し活動領域を拡大した。今後は脱炭素の実現に向けた様々なソリューションも提案し、創業200年の2032年には化学系商社の枠を超えた「温もりある未来を創造するビジネスデザイナー」になることを目指す。

朝倉 研二 長瀬産業 代表取締役社長

長瀬産業は江戸時代後期の天保3年(1832年)に、京都・西陣で紅花や布海苔、澱粉を扱う問屋の「鱗形屋」として創業。明治維新以後は、チバガイギーやコダックなどの海外大手化学メーカーの製品を中心に国内で独占販売契約を結ぶ商社へと発展した。現在はNAGASEグループ全体で30カ国・地域に約120社のグループ会社を抱える。

問屋・貿易業からものづくりができる商社へ

「早くから海外に進出し輸入事業が拡大したことによって、社の大きな基盤ができました。そして戦後は日本の産業が成長する中、国内のサプライヤーとの接点も重視し、輸出にも力を入れ、アジアにも展開しました」。

長瀬産業代表取締役社長の朝倉研二氏は社の発展について、こう語る。「基本的には問屋のビジネスモデルから成長した商社ですが、他社との大きな違いは、ものづくりにも傾注してきたことです。様々な分野において、日本にないものを輸入するだけでなく、自分たちで生産を始めたことは、私たちの新たなバリューを作り上げた大きなポイントだと思います」。

メーカーとしては従来、化学品やエレクトロニクス産業向け製品が中心だったが、近年はその活動領域を食品素材分野にも拡げ、ポートフォリオの変革をはかっている。

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