野菜収穫ロボットで、再現性のある持続可能な農業を創出

農業の生産性向上の切り札として期待される自動収穫ロボット。日本の狭いビニールハウスには導入しづらかったこのロボットを、AGRISTは「空中を移動させる」という柔軟な発想で社会実装し、持続可能な農業とまちづくりの実現を目指していく。

高橋 慶彦(AGRIST COO)

AGRIST(アグリスト)は宮崎県児湯郡新富町に本社を置く農業ロボット開発スタートアップだ。第一弾として開発したピーマン自動収穫ロボット「L」は大きな注目を集め、多数のスタートアップアワードで最優秀賞を獲得、経済産業省「J-Startup2021」にも選定されている。

ピーマン自動収穫ロボット「L」

代表取締役CEOの齋藤潤一氏はシリコンバレーのITベンチャーを経て、2017年に新富町役場が設立した地域商社「こゆ財団」の代表理事に就任。新富町の農家らと開催する「儲かる農業研究会」で自動収穫ロボット開発のニーズを発見し、2019年にAGRISTを設立した。

農産物の収穫の担い手不足を
「空飛ぶ」ロボットで解決

日本の農家の平均年齢は67歳と高齢化しており、担い手不足が深刻化している。とくに野菜の収穫時の人手が足りない状況だ。「収穫の労働力不足で収益率が下がり、農業が持続可能でなくなりつつあります。人をサポートする安価な収穫ロボットが必要です」と同社COOの高橋慶彦氏。収穫パートを確保できず取りこぼしが増えれば、育ちすぎた果菜が増えて木が弱体化、果菜の生育が悪くなり収量が低下するという悪循環に陥る。

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