牧場も経営するIT企業が開発 畜産・酪農業を持続可能にするDX

畜産・酪農業界に特化したIoTソリューションを開発・提供するファームノート。牛を飼育する農家の経営が厳しさを増す中、複雑化する管理業務の効率化と、遺伝子データを用いた牛群の改良により、持続可能な酪農・畜産業に貢献しようとしている。

自社牧場ではロボットやデバイスなどから人材育成・経営管理まで、酪農経営の改善に資する様々な取組を試行している。右はウエアラブルデバイス「Farmnote Color」を装着した牛

酪農家の現状を変えたい
との思いをもとに

ファームノートは2013年、北海道帯広市でITソフトの開発会社として創業した。社内コミュニケーション向けプラットフォームの開発に取り組んでいたところ、近隣にある酪農家から「紙で記録している牛群の管理をデジタルで効率化できないだろうか」との問い合わせがあった。これを受けてクラウドベースの牛群管理システムを開発・発売し、畜産IoTソリューションの開発・提供へと事業の舵を切った。

もともと農業とは縁がなかった同社だが、現場の意見を丁寧に反映することで、使いやすいソリューションを作っていった。酪農家にとって最も重要なのは、乳牛の繁殖を繰り返し、安定的に牛乳を生産すること。そこで同社のソフトでは、スマホやタブレットで牛群を個体識別番号で管理するとともに、同社が独自に開発したウエアラブルデバイスを付け、個体の活動履歴、血統・投薬記録の記録・管理・分析・共有ができるほか、繁殖対象牛、ワクチン接種すべき牛などが簡単に把握できるようにした。

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