自動車部品メーカーのニチワ 独自の強みを生んだ一貫生産への挑戦
宮崎県日南市を拠点に、自動車用の精密金属部品を生産しているニチワ。エンジン部品やブレーキ部品、締結部品などを自社開発の金型で一貫生産しているところが特徴だ。自動車部品の産業集積地でない「辺境の地」の弱点を、いかにして強みに変えてきたのか。同社代表の橋本氏に話を聞いた。
東大阪市の鉄工所がルーツ
宮崎県日南市の自動車用精密金属部品メーカー、ニチワ。同社は現社長の父・橋本章繁氏が、1962年に東大阪市で創業した橋本鉄工所がルーツだ。
「父は元々、東大阪の鉄工所に勤務し、産業用の機械を修理していました。ネジメーカーから製造機械の修理を多く依頼されているのを見て、ネジの需要が高まっていることを感じ、自分でネジを作ろうとしたのが創業のきっかけです」と現社長の橋本佳隆氏は語る。
普通であれば、得意分野の機械修理の仕事で独立しようとするところ、創業者は、製品そのものを自分で作ろうと発想。中古の機械を手に入れて、修理をしてネジの生産を開始した。何でも社内で自作してみようという同社の社風は、この頃から受け継がれている。
東大阪でのネジ製造事業は順調に発展し、1970年代には早くも海外に工場を出すことを検討し、韓国にも足を運んだ。しかし、当時は時期尚早として断念し、国内に新たな場所を求め、九州で候補地を探していた。その結果、宮崎県の誘致企業として、1973年に日南市に本社を移転することとなり、社名もニチワに変更した。
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