導入実績が200を超え、利用住民も増加 自治体向けLINE活用ツール「KANAMETO」

地方自治体がLINE公式アカウントを活用して、住民への情報配信や来庁手続きの予約、相談受付などの住民サービスをワンストップで提供できるtranscosmos online communications(TOC)のDXツール「KANAMETO」は、全国で200超の自治体に採用されている。導入自治体の一つである愛知県刈谷市の担当者に導入の背景や効果について聞いた。

左から、刈谷市 企画財政部 情報政策課 主任主査 別府 真希子氏、同部 広報広聴課 主事 山本 良沙氏

日常的に使われている
LINE だからこそ

2020年初頭のコロナ禍を受けて、ワクチン接種などの案内を逐次、市民に発信する必要性に迫られた経験や、2023年3月には浄水場の水質トラブルにより市内の一部地域で一時的に給水停止が生じたことなどから、緊急時に市民に対して迅速かつ的確に情報を伝達する手段の必要性を痛感した稲垣武市長より「多くの市民にしっかりと情報が届くツール導入を進めてほしい」との指示があったという。

複数のツールについて比較検討した結果、自治体が持つLINE公式アカウントと連動して利用できる「KANA METO」の導入を決めた。その理由について同市企画財政部情報政策課主任主査の別府真希子氏は「普段から市民の多くが日常的に使っているLINEであれば友だち登録をしてもらうだけで利用していただくことができるので、すぐに受け入れていただけると思いました」と語る。同市では、2021年3月からLINE公式アカウントを開設し、「情報発信ツールとしてのみ活用しておりましたが、KANAMETOは情報発信機能の他にも来庁予約や講座申込みの自動受付、オンライン申請システムとの連携機能などの便利な機能を備えていることが導入の大きな決め手になりました」と話す。

カスタマイズのしやすさも魅力

現在、主に活用されている機能の一つが来庁予約だ。手続きの案内に時間を要し、また時間帯によってはどうしても窓口が混雑し、待ち時間が生じることが課題だったが、デジタルネイティブの若い世代では、特にLINEでの予約へのシフトが進んでいるという。「導入5カ月が経った現在、なかでも母子健康手帳の交付についてはLINEで予約される方が全体の7割に達しています。従来であれば電話で予約していたであろう市民のうち4分の3がLINEに移行したと推測しています」と手ごたえを感じている。

「担当課の職員からは、来庁予約の電話対応が減ったことで、その時間を面接や保健事務の時間に充てることができ、市民へ質の高いサービスの提供と業務効率化につなげることができたという声があがっています」

また、刈谷市LINE公式アカウントのリニューアルにあたり、災害対応の機能についても充実を図った。災害発生時には、リッチメニュー(トーク画面下部に固定で表示されるタイル状のメニュー)の表示を災害用に切り替えることで、災害情報や避難誘導の情報を的確かつ迅速に伝えられるようにしている。

同市企画財政部広報広聴課主事の山本良沙氏は「避難勧告、避難所開設などの情報については、市民の方が必要としている情報にすぐにたどり着けるよう、レイアウト面で工夫をしました」と話す。こうしたリッチメニューのカスタマイズのしやすさについても刈谷市では高く評価をしている。「カスタマイズやレイアウトの設計などについては、TOCの担当者の方から他自治体の事例を紹介していただき参考にしました」と山本氏。

災害発生時に表示される防災リッチメニュー。避難所開設など必要な情報へスムーズにアクセス可能

高齢者にはキャンペーンで
利用を促進

刈谷市ではリニューアル後、市のマスコットキャラクター「かつなりくん」のLINEスタンプの無料配布やLINEを活用したイベントを開催し、LINEの友だち登録者数を増やしていった。イベントの一つとして、高齢者の外出機会の創出を目的とした「シニア向けおでかけキャンペーン」を実施。LINE公式アカウント標準機能であるショップカードを活用し、イベント参加者が対象施設に出向きQRコードを読み込んでポイントを貯めると、市内の商店街で使える商品券に交換できるようにした。

「高齢者の外出を促進することで健康になっていただくことももちろんですが、スマホやLINEの操作に慣れていただくことでデジタルデバイド解消にも役立ったと考えています」(別府氏)。また、市内の対象店舗で割引が受けられるデジタルクーポン「K-pon」の配信を友だち登録者限定で実施したという。

こうした取り組みの成果もあり、登録者は2024年2月末時点で12.1万人に達している。今後はKANAMETOのアンケート機能を活用したプレゼント企画なども検討しているという。「登録していただいた市民の方にLINEをいかに使っていただけるかが大事。これからもより多くの方に使っていただくための方策を考えていきたい」と今後の意気込みを語る。

 

自治体の要望に合わせて機能開発
サポート体制も充実

transcosmos online communications株式会社 代表取締役 貝塚 洋氏

「KANAMETO」は、200超の自治体に導入されており、自治体職員様の声を取り入れながら機能開発を進めてまいりました。刈谷市が利用されている来庁予約機能のほか、道路や公園の不具合等の通報受付や、防災メール配信システムとLINEを連携させる機能など、防災安全分野での機能が特に好評を得ています。また、単にツールを提供するだけでなく、カスタマーサクセスチームによる支援体制を構築しています。メール等によるお問合せの常時受付、新機能リリース時や人事異動時期に機能説明会を実施するなど、職員様がスムーズに日々のLINE運用を行えるよう、トータルサポートいたします。

 

お問い合わせ

transcosmos online
communications株式会社

URL:https://kanameto.me/eco/
Email:sales@kanameto.me
TEL: 03-5904-9091

 

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