パシフィックコンサルタンツHD コンサルの枠を超え持続可能な社会基盤を構想

阪神淡路大震災から30年、強靭化が進んだ日本のインフラは今、老朽化と担い手不足という構造的課題に直面する。建設コンサルのパイオニア、パシフィックコンサルタンツはホールディングス体制へ移行し、事業高度化と人材投資、オープンイノベーションで持続可能な社会基盤の実現に挑む。

大本 修 (パシフィックコンサルタンツ ホールディングス 社長)

阪神淡路大震災から30年あまり
社会基盤は「支える時代」へ

パシフィックコンサルタンツは1951年の米国法人の創業以来、建設コンサルタント協会の設立や技術士制度の整備にも関わり、業界のしくみづくりそのものを担ってきたパイオニアだ。2026年1月に純粋持株会社を設立、ホールディングス体制に移行した。

同社社長の大本修氏は、1996年にパシフィックコンサルタンツに入社し、地盤技術分野を中心に様々な業務を手掛けてきた。大本氏の原点は、橋梁の耐震工学にあるという。1995年の阪神淡路大震災で高架橋が倒壊する光景を見て、設計の重要性を痛感。建設コンサルタントの道へと歩みを変えた。

「あの震災以降、橋梁が倒壊して人が亡くなるということは起きていません。これは技術者たちの30年にわたる努力の結果です」。災害が続く中で、耐震技術は確実に進歩した。設計手法も想定する地震の規模も変わり、日本のインフラは強靭になっている。

一方で、30年前と大きく異なるのが社会の前提条件だ。日本の国際的な地位の相対的な低下、少子高齢化による担い手不足、そして予算の制約。さらに深刻なのがインフラの老朽化で、高度成長期に集中的に整備された構造物が一斉に寿命を迎えつつある。「2040年頃には橋梁の約4分の3が築50年を超えます。気候変動で災害も激甚化する中、少ない人員と限られた予算でどう対応するのか。今のシステムのままでは、持続可能とは言えません」。大本氏は、今がまさにインフラの転換期だと語る。

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