時事テーマから斬る自治体経営 「自治体の未来」の注意点
自治体の未来は、現状の延長線上にしか存在しないのか。明るい未来を描くために欠かせないのは、政策を構想し形にする人材と、その人材を育てる組織である。人材育成の現場で高まる危機感を示すとともに、将来の人口構造が似た自治体を訪ねる「未来の自治体の視察」という手法を紹介する。
筆者が自治体の現場を訪れる中で、強く感じる危機感がある。それは少なくない自治体で、明るい未来を描くことが難しくなっているという現実である。その理由は多々あるが、一つに政策人材の欠如がある。
未来は、ただ予測し受け入れるものではない。自らの意思で選び取り、判断と行動によって創り出すものである。しかし、自治体の現場では、未来を構想し、それを政策として具体化する力が弱まりつつあるように感じる。未来構想の基盤となる組織の活力も、失われつつあるようだ。
首長や議員、そして自治体職員は、目の前の課題への対応だけでなく、地域の未来を描き、その実現に向けて決断する責任がある(なお、教科書的に言うと決定権は地方議会が保有している)。何も決めず、何も変えなければ、自治体の未来は現状の延長線上にしかない。だからこそ、未来を創る政策人材の育成が求められる。
今回は、筆者の私見を前面に出しながら(実は毎回の記事も私見に基づいているが)、自治体が未来を切り拓くための注意点を「人材育成」という観点から提示したい。
政策人材なくして、
自治体の未来なし
明るい未来を創造するためには、自治体の「政策力」が欠かせない。しかし、筆者は自治体の現場に関わる中で、政策力を支える人材と組織基盤が弱くなっていることに、強い危機感を抱いている。
職員が政策力を身に付ける方法には、日常業務を通じて上司や先輩から必要な知識や技術を学ぶOJT(職場内訓練)がある。もう一つは、通常の業務を離れ、研修やセミナーなどを通じて学ぶOff-JT(職場外訓練)である。
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