安定と挑戦を両立するハイブリッド経営で、100年企業を目指す
『サッポロ一番』を擁し、国内即席袋麵市場でブランドトップに君臨し続けるサンヨー食品。家族的な経営を大切にする一方、果敢なチャレンジ精神を併せ持ち、創業当初から世界を視野に事業を展開している。中国、ベトナムに加え、近年はアフリカ市場の開拓に力を注いでいる同社の事業構想を聞いた。
創業時から世界を視野に
即席麺市場に参入
即席袋麵国内トップシェアの『サッポロ一番』ブランドで知られるサンヨー食品。同社のルーツは、井田純一郎社長の祖父、文夫氏が1933年、群馬県前橋市に開いた酒販卸問屋「泉屋酒店」に遡る。文夫氏は佐波郡玉村町で1705年から続く井田酒造の本家に生まれたが、6男だったため、自ら事業を立ち上げたのだという。
「祖父は事業のセンスがあり、酒類卸問屋を県内有数の規模にまで育て上げました。そして多角化として、親族から引き継いだうどん乾麺の製造業も引き受けて、富士製麺(現、サンヨー食品)を創業したのです。また、先代である父・毅も、チャレンジ精神が旺盛でした」と井田氏は語る。
毅氏は、うどん乾麺の麺づくりから習い、おいしい麺の製造に心血を注いだが、業界の競争が厳しいと見るや、当時草創期だった即席麺製造業に将来性を見出した。
「父は当時から、即席麺が海外でも売れる日が来ると確信し、世界の海をまたにかけて商売ができるようにと、太平洋・大西洋・インド洋の三大洋から取って、社名を富士製麺からサンヨー食品に変えました。その後しばらくは下請けとして即席麺の製造を続けていたましたが、1963年に初めて自社ブランド商品を発売しました」
そして、1966年に『サッポロ一番』を発表して以降、大ヒット商品を続々と世に送り出し、業界内での地位を不動のものにしていく。同社が創業以来守り続けているのは、企業理念に掲げる「良い味の創造」だ。
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