新型ウイルスとの戦いで変化 実需が導くオンライン診療の拡大
新型コロナウイルス感染症の拡大で、医療を取り巻く規制は大きく変化している。オンライン診療や遠隔服薬指導ができるサービスで利用者数を伸ばすMICINに、コロナ危機下のヘルスケア・ビジネスのチャンスについて聞いた。
コロナウイルス感染症は社会のほぼすべてを変えつつある。中でも大きく変化しているのが、ウイルスとの闘いの最前線にある医療業界だ。「すべての人が、納得して生きて、最期を迎えられる世界を。」というビジョンを掲げるMICIN(マイシン、東京都千代田区)は、医療の世界で情報技術を使い、医療情報を活用する事業を展開しているが、そのサービスはコロナ危機下で利用者を大きく増やしている。
MICINの現在の事業は、大きく3つに分けられる。1つ目が、2016 年に提供を開始したオンライン診療サービス「curon(クロン)」など医療機関向けアプリケーション事業。クロンは初期導入費用・月額費用0円で医療機関が導入できるサービスだ。医療機関が導入すると、患者はスマートフォンで予約から問診、診察、決済まですべてオンラインで行える。
また、薬局専用サービス「curonお薬サポート」は、薬局の薬剤師が、自宅にいる患者に電話やビデオ通話で服薬指導を行う際に活用できる。これらのサービスは現在、約5000の医療機関と約2500の薬局で導入されており、国内で最も多く使われている医療機関・薬局向けオンライン診療、オンライン服薬指導サービスとなっている。
オンライン診療を取り巻く
環境の急速な変化
「現在、オンライン診療を取り巻く環境は急速に変化し、そのニーズは高まっています。2020年4月の緊急事態宣言前後から、オンライン診療のルールも時限的ではあるものの大きく変化しました。オンライン診療のルールは従来、かなり厳格で、限定的な運用に留まっていましたが、現在は時限的緩和措置が取られています」。
MICINシニアバイスプレジデントの草間亮一氏は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う変化について、こう語る。従来、初診は原則的に対面診療とされていたが、現在はオンライン診療も可能になった。また、オンライン診療で保険点数が算定できる疾患の限定も、COVID-19の感染を抑制する観点から、制限はなくなった。
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