2021年1月号
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ヘルスケアビジネスの新戦略

「医療領域」での新規事業に取り組むには 知っておきたい基礎知識

加藤 浩晃(東京医科歯科大学臨床准教授)

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医学・行政・ビジネスの3つの観点から医療・ヘルスケア業界における新戦略を考察する本連載。今回は、“医療”と“ヘルスケア”の違いを考察する。他業種からの参入を考えるときは“ヘルスケア”の方が適しているように思えるが、そもそも医療とはどのような領域なのだろうか。

医療領域には取り組まない?

今回は、ヘルスケアビジネスの話をするときによくある質問の1つ「ヘルスケア領域と医療領域、どちらの事業を始める方がよいか」についてお話しします。結論から言うと、新規事業の選択肢として「医療領域」を最初からやらないと決める必要はありません。現在医療領域に詳しくない企業であっても、医療領域のサービス開発をすることは可能です。むしろ、医療領域での経験がない方が新しい視点でサービスを提供できるかもしれません。筆者はよく大企業から医療・ヘルスケア領域の新規事業の相談を受けていますが、医療・ヘルスケア領域が盛り上がってきている/盛り上がってくるのは知っているけど、「医療領域はなんとなく難しそう」「自社が医療領域をやるという選択肢はないので最初から考えているのはヘルスケア領域です」といった企業が多すぎると感じています。

まずは、「医療領域」や「ヘルスケア領域」がどのような領域なのかの整理から始めていきましょう。

医療領域の事業・3つのタイプ

「医療領域」とは基本的に“病院や薬局など医療機関で活用されるサービスを提供する領域”と考えてもらうとわかりやすいでしょう。大きく分けると次の3つがあります。①医師などが診療のために使うもの、②医療現場のシステムとして利用されるもの、③患者さんが利用するもの、です。

図 医療領域とヘルスケア領域の違い:医療領域の3タイプ

出典:編集部作成

 

まず①は、医療機関で医師が行う診断や治療など診療に関する製品やサービスを提供する領域です。診断や治療・手術に関する医療機器や医療用の医薬品、再生医療製品などがこの領域で、まさに医療領域のど真ん中です。多くの方は医療領域というとこの部分を考えるのではないでしょうか。この領域は医薬品・医療機器等法(薬機法)が規制する領域になるので、その医療機器や医薬品などを作ろうとすると薬機法を始め、さまざまな法律や指針に対応する必要があります。製品の有効性や安全性を示す必要があり、治験や臨床研究といった手法を経なければならないこともあります。大変な半面、これが参入障壁となり、他社が明日から参入してくるということはありませんし、治験や臨床研究の開始や成果が公表されるため、他社の動向もわかったりします。参入は難しいのですが長期計画が崩れにくいと言えるのかもしれません。この①の中で、さらに保険診療で使われるもの、自由診療で使われるものに分けられます。例えば、眼科の近視矯正のレーシックの機器などは医療機器として承認はされていますが保険適用ではなく自由診療ですし、スマホのアプリであっても治療に用いられるような治療効果のある医療機器(これらを治療用アプリと言います)では保険適用のものもあります。

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