2020年12月号
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SDGs×イノベーション

「塗工技術」で紙素材に革新 脱プラと快適・便利を両立する

沓名 稔、団野武亘(北越コーポレーション)

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世界中で高まる“脱プラスチック”の流れ。一方で新型コロナウイルス拡大防止のために使い捨て食器や個包装のニーズも生じている。このジレンマに対応するため、北越コーポレーションでは紙のリサイクル工程に乗せられる水・油に強い新素材を開発。取り組みの経緯を聞いた

老舗製紙会社が考える
“ミニマム・インパクト”

1907年新潟県長岡市で創業された老舗製紙会社、北越コーポレーション。紙パルプ産業全般を事業領域とし、洋紙、白板紙、特殊紙、パッケージング、パルプなど幅広い商品を取り扱い、グローバルに事業を展開している。2020年4月には、国内外のグループ企業を対象とした『グループ環境目標2030』を制定し、環境配慮型製品の開発など、SDGsの達成に寄与する取り組みを積極的に行っている。

「企業は事業活動を行ううえで、自然環境に対して何かしら影響を与えてしまいます。我々が大切にしているのは“ミニマム・インパクト”という考え方。最新の技術を用いて環境に対するあらゆる影響を最小限にしていこう、という理念です。これはヨーロッパアルプスで自然を愛する人たちから生まれた考えで、当社はこの理念に基づいて先駆的な環境施策を進めています」(団野氏)

左)沓名 稔 北越コーポレーション研究所 研究開発担当 右)団野 武亘 北越コーポレーション 環境統括部

同グループが掲げる環境憲章の基本方針のひとつには「環境コミュニケーションの充実」がある。年2回発刊する環境活動通信誌『KINKON』では、海洋プラ問題や山林の保全などをテーマにして、グループとしての取り組みを発信している。

「環境というと“守り”の印象が強いと思います。しかし、SDGsが普及してきたことで、当社がミニマム・インパクトの考えに基づいて行ってきた“攻め”の環境対応をPRしやすくなりました。SDGsへの貢献や取り組みを、対外的にもさらに情報発信していきたいと考えています」(団野氏)

研究開発の面では、創業の地である長岡市の長岡科学技術大学と包括的連携協定を結び、研究や製品開発、アイデア考案など、多岐にわたって協働している。プラスチック問題に危機意識を持つ顧客とも連携し、課題に取り組んでいるという。

「今後さらなる環境対応を推進するにあたって、当社のお客様である紙器メーカー、印刷メーカー等と連携しながら研究開発を進めています」(沓名氏)

“塗工技術”で脱プラに
貢献する紙素材〈パンセ〉

さらに同社は、海洋プラごみ問題を受けて、紙素材で脱プラに貢献できないかと、新規開発を始めた。そこで2020年2月に発表したのが新製品〈パンセ〉。紙コップやホットスナックの包装に用いられるポリエチレンラミネート紙の代替や、お菓子の包装などに用いられるプラスチックフィルムの代替として期待できる素材だ。

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